音声メディアが今、大躍進!長く愛されてきたラジオをはじめ、ポッドキャストやオーディオブックなど、「聴く」に特化した多様なメディアがシーンを盛り上げています。どんなメディアを、どう楽しむ? ラジオDJとして25年、第一線で活躍し続けるサッシャさんに訊きました。
音声メディアの魅力は、自分の好きな世界に出会えること
音声メディアとは、音声で発信されるメディア全般のこと。その代表格・ラジオは、かつて若者のカルチャーを牽引するメディアでしたが、2000年代に入って人気は少しずつ下り坂に。しかし、いつでもどこでもラジオを聴くことができる「radiko」の登場や音声配信サービス「ポッドキャスト」の進出など、インターネットを通した音声コンテンツの普及によって、その魅力が再発見されているようです。
ラジオDJとしてシーンの第一線にいるサッシャさんは、音声メディアの魅力をどう捉えているのでしょうか。
サッシャさん「好きなものや興味があるものを検索すれば、そのジャンルの番組にたどり着きやすいのがいいですね。
今は自分で好きな番組を探すことができる時代です。聴き逃した番組でも1週間以内であれば聴くことができるradikoのタイムフリーがあるし、そこに好みのものがなければポッドキャストにはすごくニッチなコンテンツもいっぱいあります。
周りに誰も愛好家がいなくても、自分が推しているものを推している人たちが集まれるのが、インターネットならではの強み。音声メディアを通して、趣味や好きなことに出会い、話し手と共有できるようなシーンが育っているように思えます」
どんな音声メディアを、どう使い分ける?
では、具体的に音声メディアにはどのようなコンテンツがあるのでしょうか。サッシャさんにそれぞれのメディアの特徴と使い方を訊きました。
サッシャさん「ラジオはリアルタイム性と新しい情報を得られるのが一番の特徴ですね。基本的に仕事や作業の邪魔にならず、職場やお店で流していても違和感のないBGM的な役割を持つメディアだと思います。
一方でポッドキャストは、ラジオよりもしっかりコンテンツに耳を傾けたいという人向け。たとえば、あるお笑い芸人のトークが聴きたいとか、特定の番組のあのコーナーが聴きたいといったモチベーションでしょうね。あとは、趣味や特定のジャンルに特化した番組も多いため、自分に『刺さる』コンテンツに出会いやすいと思います。
オーディオブックは、タイムパフォーマンスを求める人が活用しているイメージです。トレーニング中にビジネス書を聴き流すとかですね。前者2つと違って有料ですし、しっかりと知識を得たいというモチベーションの人に向いていると思います」
興味を深める!サッシャ流、音声メディアの楽しみ方
サッシャさんは、興味のあるジャンルの知識を深めたいときに音声メディアを活用することが多いと言います。たとえば、歴史や料理の専門家がパーソナリティを務める、学術的な音声メディア。検索で興味のあるキーワードを入れて実際に聴き、合わなければまた他のものを探すなど、積極的に自分から情報にアクセスしているようです。
サッシャさんの趣味嗜好が垣間見れる、おすすめの音声メディアを紹介してもらいました。
「コテンラジオ」
歴史オタクが圧倒的歴史弱者に語りかけながら、いろいろな歴史上の人物や出来事を教えてくれます。やなせたかしから織田信長、シンドラー、カエサル、「切腹の歴史」「宗教改革」など、特集が幅広くて面白いです。
「テクノロ塾」
Audibleで僕がやっているポッドキャストで、メタバースとかVRとかAIとか、先端テクノロジーがこれからどうなっていくのか、専門家の方に、毎回脱線しまくりつつきいていく番組です。ホント、これ勉強になるんです(笑)。
「土井善晴とクリス智子が料理を哲学するポッドキャスト supported by ZOJIRUSHI」
料理研究家の土井善晴先生と人気ラジオパーソナリティのクリス智子さんが、「料理を哲学する」をテーマに、生きること、料理することへの新たな気づきを発信する番組。「料理に時間をかける意味」「料理を作る人と味の関係」など、毎回、先生の視点に目からうろこが落ちます。
世の中の変化とともに、出会えるコンテンツが増え、楽しみ方も広がる音声メディア。サッシャさんのように、まずは自分の興味や趣味から番組を探してみてはいかがでしょうか。
この記事の内容は2024年5月15日時点での情報です。