自分にもしものことがあったら、スマホのデータはどうなる?

人生半ばを過ぎればそろそろ自身の終活について考え始める時期 。とくにスマホやパソコン、ネット上に保管してあるデータを生前に整理しておく「デジタル終活」は、早いうちに始めておくのがおすすめです。デジタル終活のポイントを古田雄介さんに聞きました。

今回お話をうかがった方

古田雄介さん

ノンフィクションライター、デジタル遺品を考える会代表。1977年生まれ、名古屋工業大学卒業。葬儀社スタッフや編集プロダクション勤務を経て。2007年にフリーランスのノンフィクションライターとして独立。おもな著書に『デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』(伊勢田篤史さんとの共著)、『故人サイト』 などがある。また、2024年8月に小学館新書からも書き下ろし本を刊行。

スマホはもっとも重要なデジタル遺品

スマホを触っている様子

画像:iStock.com/ loveshiba

 

デジタル終活とは、スマホやネット上などにあるデータを生前に分類したり、取り扱い方を整理したりすること。通常の終活の場合、荷物を整理したり相続の取り決めをしたり、その対象の多くが形のあるものですが、デジタルデータは形がありません。

「一般的に そうしたデータを『デジタル遺品』と言います。自分以外には実態がつかめないものだからこそ、残された家族が困らないようにきちんと準備する必要があります」と古田さんは言います。

古田さん「なかでも重要なのがスマホです。携帯電話所有者のスマホ比率はシニア層でも9割を超え(※1)、スマホ内にはLINEの友だちリスト、SNSや各種サブスクのアカウント情報、ネット銀行のログイン情報などのデータが詰まっています。データへのアクセス方法を整理しておかないと、ご家族が葬儀に参列する友人のリストアップにも苦労することになるかもしれません」

※1:NTTドコモ モバイル社会研究所「2024年調査 スマートフォン比率97%:2010年は約4%」

 

パスワードを家族に伝える仕組みをつくる

具体的にデジタル終活では何をすればいいのでしょうか。もちろんSNSやサブスクの情報も大切ですが、「もっとも重要なのはスマホのロックを解除するパスワード」と古田さんは言います。

古田さん「デジタル遺品を把握するにはスマホのロックを解除してデータにアクセスするのが最も効率的ですが、解除するのが難しいのです。たとえば国内でシェア約50%を占めるiPhoneは10回連続で間違ったパスワードを入力するとデータが初期化される設定があります。その設定がされていることを知らずに闇雲にロック解除を繰り返して、中身を空っぽにしてしまった遺族の例は少なくありません」

そのため「スマホのパスワードを家族に伝える仕組み」をつくっておくのがデジタル終活の一番のポイントになるわけです。

古田さん「私がおすすめするのは、パスワードを紙に書いてその部分を修正テープでマスキングし、スクラッチカード化したうえで実印などと一緒に保管しておく方法です。この仕組みなら家族も見つけやすいし、非常にお手軽で費用もかかりません」

 

パスワード共有にはエンディングノートがおすすめ

ノートに書いている様子

画像:iStock.com/Pikusisi-Studio

 

家族に向けた大切な情報を紙に書き、万が一のときのために保管しておくというのは、まさにエンディングノートの役割といえます。これからの人生をより楽しく豊かに安心して過ごすためにも、エンディングノートを「人生の引き継ぎ帳」としてデジタル終活に活用するのもひとつの方法でしょう。

しかし、エンディングノートを一人で書きあげる自信がないという不安をお持ちの方も多いと思います。TEPCOが提供している「さいごまで安心サービス」の『トライアルパック』ではエンディングノートの作成サポートをはじめ、資産運用やデジタル遺品の整理方法などの相談も行っております。早めに終活に取り組んで充実したセカンドライフを過ごしましょう。

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この記事の内容は2024年8月14日時点での情報です。