窓だけじゃない!家の中で結露が起きやすい意外な場所は?

肌寒い時期になってくると、よく目にする結露。窓ガラスに発生するイメージが強いですが、じつはそれ以外の場所でも発生していて、放っておけば健康被害を起こす恐れも。そこで、掃除のプロに結露の対策法を教えてもらいました。

今回お話をうかがった方

大津たまみさん

一般社団法人日本清掃収納協会会長。お掃除・お片づけのプロとして30年以上のキャリアを持ち、さまざまなメディアに出演。日本のみならず海外にもお掃除・お片づけ・生前整理の普及に努めている。

ウェブサイト

 

そもそも、結露はなぜ起こる?

家の中で何気なく窓を見ると水滴がついている、ということがよくありますが、結露はどうして起こるのでしょうか。

大津さん結露は、室内と外気の温度差が大きいときに発生しやすい現象です。空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含み、温度が下がると、空気中に含むことができる水蒸気の量が減ります。つまり、室内の暖かい空気が冷たい外気で冷やされると、余分な水蒸気が水滴に変わり、結露となるのです

結露が起こる仕組み

 

空気の温度差で発生してしまう結露ですが、そのまま放置すると家にも健康にも良くないと、大津さんは言います。

大津さん「結露は放置しておくと、付近にカビやダニが発生しやすくなります。その結果、アレルギーやシックハウス症候群などの健康被害につながったり、家の建材が腐敗したりする危険があります。今は昔よりも気密性の高いマンションや家が増えていますが、こうした建物ほど結露が発生しやすいため、注意が必要です」

 

じつは結露が起こっている!家の中の意外な場所

結露と言えば、窓ガラスを思い浮かべますが、窓以外の場所でも結露が発生していると大津さんは言います。

大津さん「意外に思われるかもしれませんが、押し入れの中や家具の裏側も結露が発生しやすいです。これらの場所は日が当たりにくく、気温が低くなるため、そこに室内の暖かい空気が触れると結露が起こってしまいます。同じ室内でも場所によって気温が変わってくるため、特に冷えてしまいがちな押し入れの中や家具の裏側に結露が発生しやすくなります

また、見落としがちなところとしてエアコンの内部も注意が必要です。エアコンは室内の空気を吸い込んで、熱交換器で適温に変えて吐き出す仕組みのため、エアコン内で気温差が生まれやすい=結露が発生しやすい環境なのです。エアコン内部に不具合や汚れがあると、吸い込んだ空気が上手に吐き出されないため、ルーパー(風向板)や吹き出し口に結露が出ることがあります」

窓以外に結露が発生しやすい場所

 

冬本番までに取り組もう!効果的な結露対策

本格的に寒くなる前に、できるだけ結露対策をしておきたいところ。具体的にどんなことに気を付ければよいでしょうか。

大津さん「結露は湿度が高いほど発生しやすくなるため、湿気を減らすことが結露対策につながります。特に湿気が多い押し入れなどには、珪藻土のマットや除湿機を置くとよいでしょう。また、市販の結露防止スプレーを使用するのも一手です。購入する際には、持続期間と使用可能な素材を確認しましょう」

結露対策アイテム

 

逆に、湿気を増やすような行動はなるべく避けたほうがよいと大津さんは言います。次の行動は結露を引き起こす可能性があるため、注意しましょう。

【結露を引き起こすNG行動】

・加湿器を長時間使用する
・窓やドアを開けて、風呂の換気扇を回す
・洗濯物を部屋干しする
・汗を吸い込んだ布団をそのまま押し入れにしまう
・押し入れに物を隙間なく詰める

 

大津さん「冬の時期の就寝時、肌や喉の乾燥を避けるために、エアコンと加湿器をつけっぱなしにする人は少なくありませんが、これは結露発生の好条件になってしまうため、できれば避けましょう。どうしても併用したい場合は、寝る前にはどちらかを切ったり、併用後に除湿機能や除湿機を使ったりなどの工夫が必要です。除湿時間の目安は1時間程度で、湿度40~50%を目指すとよいでしょう。

また、健康被害を避けるためにもエアコンのフィルターは2週間に1回ほどのペースで掃除しましょう。換気をする場合には、空気の通り道ができるように窓やドアを開けるのがコツです。押し入れも1か月に1回くらいは扇風機を回して、中の空気を循環するのがおすすめです。ただし、お風呂場で換気扇を使う場合には、窓もドアも閉めたほうが効率的です」

暖かく健康に冬を過ごすためには、ちょっとの手間をかけて換気や掃除をするのが良さそうです。ぜひ年末の大掃除前に取り組んでみては?

この記事の内容は2024年12月11日時点での情報です。