冬の鍋物に欠かせない食材といえば白菜。その表面に、黒い斑点ができているのを見たことはありませんか? これは食べても問題ないのでしょうか。気になるその正体を、野菜ソムリエプロで管理栄養士の小島香住さんに教えてもらいました。
黒い斑点は白菜ががんばった証!?その正体は「ポリフェノール」
白菜を調理していると、時折見かける黒い小さな斑点。食べてもいいものかなんとなく気になって、その部分を取り除いて調理している…という人もいるかもしれません。しかし、その正体は「ポリフェノール」。食べてもまったく問題はないそうです。
小島さん「白菜でよく見られる黒い斑点は“ゴマ症”と呼ばれ、もともと白菜に含まれていたポリフェノールが蓄積したものです。ポリフェノールは色素由来の成分で、味には、とくに影響はありません。気にせず食べていただいて大丈夫です」
ゴマ症は白菜の成長とともに自然と表れるもので、その原因は天候や栄養過多などさまざま。白菜が雨や暑さ、寒さに耐え、“おいしくなろう”とがんばった証拠とも言えるのです。
ちなみにゴマ症はアブラナ科の野菜に共通して起こる現象でコマツナやキャベツでも同じような黒い斑点が発生することがあるそうです。「ゴマ症」という名前ですが病気ではないので安心して食べてください。
気づかずに食べたら危険!カビとの見分け方は?
一方で、注意しておきたいのは「カビ」。白菜が傷むと黒っぽいカビが発生することがあります。こちらは健康を害する可能性もあり、食べる前に取り除いておきたいところ。ゴマ症との簡単な見分け方はあるのでしょうか。
小島さん「ゴマ症の場合は白菜自身から発生するものなので、洗っても触っても取れることはありません。一方でカビは葉の表面に粉っぽく付着しており、指でこすると取れたり、薄くなったりするのが特徴です。
またゴマ症はまったくの無臭ですが、煤(すす)のようなニオイや酸っぱいニオイを感じるときは、カビや傷みの可能性が高いでしょう」
葉物野菜が高騰している今、少しでも無駄なく食べ切りたいもの。白菜の一部にカビが発生してしまっても、その部分を取り除けば食べることができます。ただしこの場合は、必ず加熱調理をしてから食べるようにしましょう。
なるべく野菜を傷めずに、長く保存するためのコツは以下の記事でご紹介しています。こちらもぜひ、参考にしてみてください。
鍋以外にも!白菜を長く楽しむ作り置きレシピ
冬が旬の白菜ですが、買ったはいいものの鍋物以外にレパートリーがなく、いつも同じになりがち…という人もいませんか?
そこで、白菜をもっと長く楽しめて、作り置きもできるレシピを小島さんに教えてもらいました。新感覚のコールスローサラダと、下味冷凍をしておけば忙しい日にもすぐ食べられるチキンのクリーム煮をご紹介します。
新食感!「白菜のコールスローサラダ」
小島さん「コールスローはキャベツで作るのが一般的ですが、白菜で作るのもおすすめ。お鍋の白菜とはまったく違う食感が楽しめますよ。白菜は非常に水分の多い野菜なので、下準備で塩もみをするのがポイント。カサも減ってたっぷりと食べられます」
下味冷凍で楽々「白菜とチキンのクリーム煮」
小島さん「白菜は冷凍保存が可能です。下味冷凍をしておけば、忙しい時にとても便利。こちらのレシピはフライパンの代わりにレンジでも調理ができます」
「白菜に限らず野菜は手軽に、おいしく食べられる食材です。値段が高騰している今だからこそ、正しい知識をもって、無駄なく食べてほしいなと思います」と小島さん。
白菜がもっともおいしい今の季節、ぜひ余すことなく活用していきましょう! 黒い斑点は気にせず、ぜひおいしくいただいてください。
この記事の内容は2025年2月12日時点での情報です。