プラスチックの保存容器、黄ばみ・ニオイは簡単に落とせる?

毎日の食事作りで活躍する、プラスチックの保存容器。洗っているのにぬめりがとれない、なんだかニオイや黄ばみが気になる…そんなことはありませんか? こうしたお悩みを簡単に解消する方法を、料理研究家の島本美由紀さんに聞きました。

今回お話をうかがった方

島本美由紀さん

料理研究家・食品ロス削減アドバイザー。ラク家事アドバイザー、冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー、防災士、一般社団法人「食エコ研究所」の代表理事としても活動。食べ物をムダにしないレシピや家事がラクになるアイデアなどに定評があり、NHK『あさイチ』などテレビ番組出演や雑誌監修も務め、著書は80冊を超える。2021年には消費者庁主催の食品ロス削減大賞で審査委員長賞を受賞。

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保存容器のぬめり・ニオイ・黄ばみがなかなか落ちないのはなぜ?

プラスチックの保存容器イメージ

 

保存容器のなかでも、特にプラスチック製品はぬめりや黄ばみ、ニオイが残りやすい傾向があります。これはなぜでしょうか?

島本さん「プラスチックの表面には、目に見えない細かな凹凸があり、そこに食品の色素や油汚れが入り込みやすいんです。またプラスチックは石油からできている製品のため、油と馴染みやすい性質もあります。使い続けるうちに落としきれなかった汚れが積み重なって、ぬめりや黄ばみ、ニオイの原因になると考えられます」

保存容器に残った汚れやニオイを放置すると、雑菌や虫の発生につながるおそれも。黄ばみやニオイがとれなくなった保存容器は、もう捨てるしかないのでしょうか。

島本さん「…そんなことはありません! 自宅にあるもので、簡単にきれいにすることができます」

早速、その方法を見ていきましょう。

 

今すぐ試せる! ぬめり・ニオイ・黄ばみの解決法

島本さんによると、ぬめり・ニオイ・黄ばみの解決法はそれぞれポイントがちがうとのこと。種類別にそのコツを教えてもらいました。

 

①ぬめり対策は「キッチンペーパー×ぬるま湯×洗剤」

ぬめりの要因は、プラスチックの表面に残った油。凹凸に入り込んだ油汚れをきれいにするには、「キッチンペーパー」が活躍します

島本さん「洗剤を1〜2滴と、ちぎったキッチンペーパーを容器に入れ、ぬるま湯を注ぎます。蓋をしてよく振ると、ペーパーの繊維がスポンジでは落とせなかった汚れにもアプローチしてくれます」

保存容器のぬめりを取る方法

 

ぬめりを放置すると、やがて黄ばみの原因にも。定期的にこの方法で洗うことで、黄ばみ予防にもなるそうです。

 

②ニオイが気になるときは「塩」が効く!

ニオイ残りが気になるときには、身近な調味料である「塩」を使うのが効果的だそう。

島本さん「保存容器に深さ1cmほど水を入れ、塩大さじ1を加えて、蓋をしてよく振ります。プラスチック表面の細かい凹凸に塩の粒子がぶつかりあって、ニオイのもとを落としてくれるんです」

保存容器のニオイを取る方法

 

コツは塩の粒子が残っているうちに容器を振ること。塩を加えたら水に溶かしきらず、すぐに振るのがポイントです。

 

③しつこい黄ばみには「重曹水×電子レンジ」

黄ばみがとれなくなった容器には、重曹を使ったスペシャルケアを試してみましょう

島本さん「水200ccに対して重曹小さじ1を容器に入れます。蓋は完全に閉めずにななめに乗せて、レンジで2分加熱してください。重曹の発泡効果と研磨作用が働いて、黄ばみもニオイもすっきりします

保存容器の黄ばみを取る方法

 

保存容器の大きさにあわせて、水と重曹の量は調節します。目安としては、容器に対して1/3量の重曹水を入れるのがよいでしょう。重曹は天然素材なので口に入っても安心。スーパーや100円ショップで手軽に購入することができます。

 

梅雨時期も安心。保存容器を清潔に使うためのポイントは?

画像:iStock.com/anmbph

 

食品に直接触れるものだからこそ、保存容器は清潔に保ちたいもの。気温や湿度が上がってくるこれからの季節、衛生的に使うために気をつけるポイントを教えてもらいました。

島本さん「容器の使用頻度にもよりますが、こまめに手入れして汚れを残さないように気をつけましょう。お弁当箱のように平日毎日使うものであれば、週に1回程度、紹介したお手入れを行うといいですね」

油分の多い食品を入れたあとは、その都度キッチンペーパーでのお手入れをするのもおすすめです。

島本さん「梅雨や夏場など衛生面がとくに気になる季節は、油分の多い食品の保存にプラスチック容器を使わないのもひとつの手です。ガラスやホーロー製のものを使うか、いっそのこと“使い捨て”という選択肢も。たとえば、牛乳パックを活用して保存容器を作ることができますよ」

油分が多いカレーやミートソースは切り込みを入れた牛乳パックに流し入れ、上部を折りたたんでテープで留めて冷凍庫へ。

 

ちなみに保存容器の買い替えタイミングは「蓋と本体が合わなくなったら」もしくは「容器にヒビや割れができたら」とのこと。黄ばみやニオイは日々のメンテナンスで解消し、長持ちさせられるといいですね。

「保存容器の汚れやニオイは、ちょっとした工夫で対策できます。せっかくの便利な道具ですから、こまめにお手入れして、できるだけ長く大切に使ってもらえたらうれしいです」と島本さん。

買い替える前に、まず“お手入れ”を。これからの季節も保存容器を気持ちよく使い続けるために、今日からできるケアをはじめてみませんか?

この記事の内容は2025年5月22日時点での情報です。