夏場は集中豪雨や台風などが多発する季節。さらに近年は、厳しい暑さや寒さと台風などの災害が組み合わさって起きる「複合型災害」も増えています。こうした災害時に電気などのインフラが止まってしまうと、普段通りの生活が困難になり、心理的にも不安になります。停電時でも電気を使えるようにすることは、まさに防災の第一歩と言えるでしょう。そこで今回は、防災アドバイザー・防災士である岡部梨恵子さんに「電気に関する防災」について教えてもらいました。
災害時に困ることの上位は「電気が使えないこと」

国が2017年に行った「防災に関する世論調査」によると、「大地震が起こった場合に心配なこと」として上位にランクインしたのは、「建物の倒壊(72.8%)」、「家族の安否が確認できなくなること(61.3%)」、「食料、飲料水、日用品の確保が困難になること(57.3%)」、「電気、水道、ガスの供給停止(53.9%)」でした。後半3つの困りごとは、どれも電気が欠かせない事象。いかに電気が大切であるかを実感できるとともに、電気がためられたら、災害時の不安を軽減できると言えるでしょう。
暑さと寒さを考えた防災対策が不可欠

この結果について、岡部さんは「災害時は暑さと寒さの対策ができるかどうかがとても大切」と指摘します。
岡部さん「近年は猛暑が長引いたり、強い寒波が訪れたりと、気象状況が厳しくなりつつあります。厳しい暑さや寒さと、台風などの災害が組み合わさって起きる災害を『複合型災害』と呼ぶのですが、近年、この複合型災害に対応できず命を落としてしまう事例が多発しています。もしエアコンや扇風機などを使うことができたら、防げたかもしれません」
続けて、防災への考え方について、時代に合わせてアップデートしていく必要があると言います。
岡部さん「これからの時代、災害への備えにあたっては、猛暑や寒波のときに災害台風や地震が起こるかもしれないと想定することが重要で、電気をためることが命を守る術になると思っています」
蓄電池があれば災害時も電気が使える

では、災害時でも電気を使うためにはどうしたら良いのでしょうか。そこで役立つのが「家庭用蓄電池(以下、蓄電池)」です。蓄電池とは、電気をため、必要なときに電気機器などに電気を供給できる設備のこと。災害によって停電が起きた場合でも、自宅に設置した蓄電池から電気を供給できれば、容量の範囲内で電気を使えるようになります。
蓄電池は、容量が大きいほど多くの電気をためることができます。より多くの電気機器を使用したり、長い間電気を使い続けたりしたい場合は、使用量に合った容量を選ぶことが大切です。選び方のポイントは後ほど紹介します。
まずは実際にどんなシーンで役に立つのか、蓄電池がくらしにもたらすメリットを見ていきましょう。
メリット①:ライフラインの確保

蓄電池があると、照明や冷暖房、冷蔵庫といった生活をするうえで必要な環境を確保することができます。
岡部さん「電気があれば、照明や冷暖房、冷蔵庫や電子レンジなどを普段通り使うことができます。つまり温かいご飯が食べられるということ。災害時の緊迫した状況で温かい食事や飲み物をとれると、心がホッと軽くなるものです。家族の精神的な負担を和らげる意味からも、電気を確保することは大切です」
メリット②:情報収集手段の維持

モバイルバッテリーがあれば、スマートフォンなどを充電することは可能です。しかし、モバイルバッテリーの容量によっては、家族全員分のスマートフォンを充電したり、数日にわたって充電を繰り返したりするには不十分なこともあります。
岡部さん「災害時は情報が錯綜しやすく、状況が刻々と変化するため、最新の情報に何度もアクセスできる環境は、精神的な負担を軽減することにもつながります。家族の安否確認は、災害時に多くの人が最初に取る行動であり、何よりも先に知りたいこと。連絡や情報収集の手段として、電気があることは大前提です」
岡部さん「特に最近は、自治体からの連絡や気象情報など、最新の情報をスマートフォンで確認するケースが増えてきました。スマートフォンは、もはやライフラインの1つ。常に使用できるようにしておくには、充電するための電気が不可欠です」
メリット③:長時間の停電への備え

太陽光発電がある住宅では、発電した電気を蓄電池にためて利用することで、長期間の停電にも備えることができます。
岡部さん「小さなお子さんや高齢の方は、普段のくらしと違う環境によるストレスが原因で体調不良を引き起こす可能性があります。できるだけ安心感を与えてあげるには、日常とできるだけ変わらない、電気のあるくらしが大切です。また蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使うことで、自宅で電気を自給自足できるようになるため、物理的にも精神的にも災害時への備えを万全にできると言えます」
メリット④:補助金の利用でおトクになる場合も

自治体によっては、蓄電池の導入に対する補助金を利用できる場合があります。
例えば、東京都では一律12万円/kWh、神奈川県では15万円/台、千葉県では12万円/台を交付しています。(*)
*:蓄電池を太陽光発電とセットで導入した場合
*:東京都令和7年度「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」、神奈川県令和7年度太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助金、千葉県令和7年度住宅用太陽光発電設備等に係るリース等導入促進事業補助金の助成金額。(2025年6月25日時点の情報。詳しくは自治体のホームページをご確認ください。)
岡部さん「蓄電池というと初期費用が高額になりやすいイメージがありますが、こうした制度を活用すれば、初期費用を抑えながら賢く災害に備えることができます」
避難生活を考えた蓄電池選びのポイント
蓄電池を導入してみたい!と思ったら、どのように選ぶと良いのでしょうか。選ぶ際に重要になるのが「容量」です。
岡部さん「容量の見極め方のポイントは、どの家電製品を何時間使いたいかを明確にすることです」

岡部さん「家電製品には、消費電力(ワット、W)が記載されています。使いたい家電製品の消費電力に使用する時間を掛け合わせると電力量がわかるので、蓄電池の容量を選ぶときの目安にできます」
もしよくわからない場合には、信頼できる業者にも相談してみてください。
エネカリ・エネカリプラスなら初期費用0円で導入できる
メリットがたくさんある蓄電池。しかし設備本体の費用に加えて、設置・工事費用などがかかるので「費用が高額になるのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。そこで蓄電池を初期費用0円で導入できる東京電力グループのサービス「エネカリ・エネカリプラス」を検討してみてください。(蓄電池のみの導入はエネカリにて対応可能です。)
特徴は、蓄電池や太陽光発電などを初期費用0円(※1)で導入できること。毎月定額の利用料を支払うだけで、機器の設置・アフターフォローも含めたサービスを利用できます。
※1:機器費用と標準工事費を指します。ご契約いただくサービスにより初期費用として足場費用等がかかる場合がございます。
*:利用には諸条件がございます。詳細はホームページをご覧ください。
*:エネカリはTEPCOホームテック株式会社、エネカリプラスは東京電力エナジーパートナー株式会社がサービス提供主体です。
岡部さんは、防災に関するセミナーなどで、「電気も備蓄する時代です」と講演しています。
岡部さん「私たちの暮らしにとって、電気は『あるのが当たり前』の存在になっています。だからこそ、非常時の電源確保は、ぜいたくな備えではなく、最低限の安心を得るための備えです。自分や家族を守る行動の1つとして、蓄電池の導入もぜひ検討してほしいですね」
おトクなサービスも活用しながら、電気の備えをはじめてみてはいかがでしょうか。
※この記事の内容は2025年7月17日時点での情報です。