足元だけ冷える…。部屋の「暖房ムラ」をなくすポイント

暖房をつけていても「足元が冷える」「部屋の一角だけ寒い」と感じることはありませんか? 寒い季節をより快適に過ごすために、そんな“暖かさのムラ”を解消し、部屋全体を効率よく暖める暖房の使い方をご紹介。家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。

今回お話をうかがった方

田中 真紀子さん

白物・美容家電ライター。家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。自宅には最新家電を中心に250以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。

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暖房器具にはそれぞれどんな特徴がある?

なぜ暖房ムラが発生するのか——まずはその理由を知るために、暖房器具の仕組みを解説しましょう。暖房器具は、大きく分けて温風を出す「対流式」と遠赤外線の熱を伝える「輻射式」に分類することができます。主な対流式の暖房器具は、エアコンやファンヒーターなど。一方、主な輻射式の暖房器具には、石油ストーブや床暖房などがあります。

対流式:部屋の空気を取り込み、暖めて対流させます(例:エアコン、ファンヒーターなど)

 

田中さん広い範囲を効率よく暖めるのが対流式の特徴。特にエアコンはエネルギー効率もすぐれていて、暖房器具として最も優秀と言えます。一方で、部屋全体が暖かくなるまで時間がかかるのが弱点。暖まった空気は天井のほうにたまりやすいため、足元が冷えやすいのもデメリットです」

輻射式:熱を発生させて空気を直接暖めます(例:床暖房、ストーブなど)

 

田中さん輻射式の暖房器具は熱源の近くを直接じんわりと暖めることができます。スイッチをいれればすぐに暖かさを感じられるのが強みですが、広い範囲をカバーするのは苦手。器具によっては定期的に灯油の補給が必要になるものもあり、寒い季節には少し大変なところかもしれません」

 

組み合わせで“暖房ムラ”を解消!そのポイントは?

「熱効率のよさを考えると、暖房器具で最もおすすめなのは、対流式のエアコンです」と田中さん。ただし、暖房ムラ解消のためには、暖まった空気が上にたまり足元が冷えやすいという弱点を補うことがポイントとなります。鍵となるのは、空気を循環させることです。

田中さん「天井にたまった暖かい空気を循環させることで、足元までまんべんなく暖房効果が広がります。サーキュレーターを使うと簡単です」

まずはなるべく床側に暖かい空気が流れるよう、エアコンの風向きは下方向に設定しましょう。それでも暖かい空気は上へ上へと移動してしまいますが、サーキュレーターを天井に向けることで、循環を促すことができます

真上を向けるサーキュレーターであれば、部屋の真ん中に置いてもOK

 

また、エアコンと他の暖房器具を組み合わせて、弱点を補い合うのもムラ解消テクニックのひとつだと言います。

田中さん「エアコンに加えて、即暖性の高い輻射式暖房を組み合わせるのも効果的。エアコンとストーブを併用し、十分に暖まったタイミングでストーブを消すという使い方がおすすめです」

なお、「エアコンとファンヒーター」など、対流式暖房同士を組み合わせるのはあまり推奨できないと言います。

田中さん「空気の流れがぶつかって対流が乱れるため、組み合わせには不向きです。近距離を直接暖める輻射式と、部屋全体を暖める対流式のダブル使いが最も効率的と言えるでしょう」

 

【コラム】近年はこんな暖房器具も!

ここ数年、注目が集まっているのが自分の周囲や体の一部分だけを効率的に暖めることのできる「パーソナル暖房」。デスク下の足元を効率的に暖めるヒーターなどが人気です。どうしてもエアコンの電気代が気になる……という人は、こうしたパーソナル暖房で冷えを解消しつつ、エアコンの設定温度を低めに調整してもよいでしょう。

 

本格的な寒さの前に暖房器具のメンテナンスを!

画像:iStock.com/Yuto photographer

 

暖房ムラの解消方法はわかったものの、いざ寒さが厳しくなったころに暖房器具を使ってみたところ稼働しない!というケースもありますよね。

田中さん「夏場も稼働するエアコンと比べ、冬しか使用しないガスファンヒーターやガス床暖房は管理もおろそかになりがちです。本格的なシーズンに入る前に、試運転しておくのがおすすめですよ」

試運転してみたところ故障してしまったという場合には、東京電力エナジーパートナーの対象ガス料金プラン加入者であれば、プランについてくる「ガス機器・床暖修理サービス」(※1)を利用し、無料で修理を受けられます。また、東京電力エナジーパートナーの対象ガス料金プランに加入していない場合や他社と契約を結んでいるご家庭であっても、「住宅設備修理サービス」(※2)に有料で加入することで、住宅設備機器が故障した際に無料で修理サービスを受けていただくことが可能です。

早めのメンテナンスと備えで、今年の冬も暖かく過ごしましょう!

※1:ご家庭で使用しているガス機器が自然故障した際に、無料で修理を受けられるサービスです。サービスを受けていただくには条件がございます。詳しくは、下記の各サービス詳細をご確認ください。
※2:有料で加入いただくことで、住宅設備機器が故障した際に無料の修理が受けられるサービスです。

 

▼ガス機器・床暖修理サービスの詳細はこちら▼
https://www.tepco.co.jp/ep/kurashi/moshimo/gas-jiyuuka/index-j.html

▼住宅設備修理サービスの詳細はこちら▼
https://www.service.tepco.co.jp/s/Warranty_jusetsu/

 

※この記事の内容は2025年10月16日時点での情報です。