
火災のリスクが高まる冬。そこで行っておきたいのが「コンセントまわりの掃除」です。というのも、コンセントや電源プラグについたホコリを定期的に取り除いておかないと、これらが原因となって突然発火する可能性があるのです。これは「トラッキング現象」と呼ばれるもの。その仕組みや予防策について、家電ライターの藤山哲人さんに聞きました。
トラッキング現象は、どの家庭でも起こり得る!

トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの隙間にホコリがたまり、そこに湿気が加わることで起きる発火現象のこと。藤山さんによれば、機器の電源が入っていない場合でも、条件によっては、電源プラグがコンセントに挿さっているだけで発火する可能性があるといいます。
また、湿気が原因とはいえ空気が乾燥する冬でも注意が必要とも。
藤山さん「冬の室内には、加湿器の使用や結露など、湿気を生むものが多くあります。それらはトラッキング現象のもととなります。特に寒い地域では、窓の結露が起きやすくなります。コンセントは窓際の近くに設置されていることも多いため、トラッキング現象に注意が必要なのです」
トラッキング現象が起きやすい場所はどこ?
そこで藤山さんに、トラッキング現象が発生しやすい場所のランキングを作成していただきました。

ランキング上位を占めたのは、「普段動かす機会が少ないもの」の周辺。冷蔵庫や洗濯機、テレビやAVラックなどは、まさにその典型です。これらの付近はホコリがたまりやすく、どうしてもトラッキング現象の発生リスクが高くなるようです。
台所や洗面所、トイレや加湿器の周辺など、水気のある場所も湿気が加わりやすいので注意が必要とのこと。台所まわりは、湿気に加えて油がはねていることもあり、火災につながりやすくなります。
藤山さん「そのほかにも、犬や猫を飼われているご家庭は、コンセントとプラグの隙間に毛がたまりやすいので注意が必要です」
発火を未然に防ぐ具体的な対策とは?

こうしたトラッキング現象は、ほんの少しの心がけで予防できるとのこと。
コンセントまわりにホコリをためない
藤山さん「まず大切なのは、コンセントまわりをこまめに掃除することです。このとき、水拭きやウェットティッシュの使用はもちろんNG。あくまで乾拭きが理想です。冷蔵庫裏などの狭いところは、掃除機の細いノズルでさっとホコリを吸うだけでも効果がありますよ」
そもそもホコリがたまりやすい環境にしないという考え方もあります。そこで藤山さんが提案するのは、家中のコンセントや延長コードを「家具などで隠さない」こと。
藤山さん「コンセントや延長コードが外から見えないように、家具などで覆い隠してしまうご家庭も少なくありません。そのような環境はホコリがたまりやすくなってしまうので、できるだけ避けてほしいです」

ただし、どうしても家具の配置などでホコリを避けにくい場所もあります。そうした場合は、コンセントの上方にカバーをつけて、ホコリがかからないようにするのも一つの手であるとのことです。
できるだけ通電し続けないようにする
ホコリが付着した状態で通電し続けると、トラッキング現象につながりやすくなります。使用時以外は、電源プラグをコンセントから抜いておくのも大切です。
藤山さん「冷蔵庫やテレビは難しいものの、スマートフォンの充電器や短時間しか使わない家電などは、なるべくこまめに抜き挿ししましょう」
劣化した電源タップなどを使い続けない
延長コードや電源タップを使っている場合は、定期的に買い替えることも予防につながるとのこと。
藤山さん「使い続けているとプラグ接続部分の“炭化”が進み、発火につながりやすいため、10年ほど使用したら交換するのが理想です。最近はトラッキング防止機能が付いた電源タップなども増えていますね」
コンセントまわりを確認する習慣をつけよう
藤山さん「トラッキング現象はどんな家庭でも起こり得るものです。こまめな掃除など、ちょっとした対策を行うことでそのリスクを下げることができますよ」
この記事をきっかけに、ぜひ家のコンセントまわりをチェックする習慣をつけ、火災リスクに備えるようにしましょう。
※この記事の内容は2026年2月12日時点での情報です。