健康維持のために取り組む方が多いウォーキング。実は、ダイエット効果も期待できます。しかし、ただ歩けばいいというわけではありません。正しい歩き方を身につけることで、ウォーキングの効果は劇的に変わるのです。では、正しい歩き方とは具体的にどのようなものなのでしょうか? プロウォーキング講師の今村大祐さんに、ダイエットに効果的なウォーキング法を教えてもらいました。
効率的で続けやすい!ウォーキングダイエット
そもそも、ウォーキングはどういった点がダイエットに向いているのでしょうか?
今村さん「ウォーキングは低強度で長時間続けられる有酸素運動です。有酸素運動は体内の脂肪を効率的に燃焼させる効果があります。さらに、定期的なウォーキングは基礎代謝を上げる効果も。つまりウォーキングをすることで、運動中だけでなく普段の生活でもカロリーを消費しやすい体になるんです」
さらに今村さんは、ウォーキングが体にやさしく、継続しやすい運動であることも強調します。
今村さん「ウォーキングはランニングなどの高強度な運動と比べて、体への負担が少なく、怪我のリスクも低いです。そのため、年齢や体力に関係なく長期間続けやすい。ダイエットには継続が何より大切ですから、この点はとても重要です」
ウォーキングダイエットのカギは「正しい歩き方」
効果的で継続しやすいダイエット方法である、ウォーキング。しかし、ただ闇雲に長時間歩けばいいというわけではありません。「実は、歩き方こそ重要なポイント。正しい歩き方をすることで、効果的なウォーキングにつながります」と今村さん。そこで、正しい歩き方をするための秘訣として今村さんが教えてくれたのが「3つの柱」です。
今村さん「3つの柱を意識することで、全体の筋肉をバランスよく使うことができ、同じ距離を歩いても消費カロリーが大きく変わってきます。日頃から正しい歩き方をすることで、ちょっとコンビニへ行くときや通勤時ですらダイエットになるんです」
さっそく、その3つの柱を見ていきましょう。
今村さん「1本の線上を歩くことで、普段あまり使わない内転筋が鍛えられ、骨盤周りの筋肉も活性化されます。これにより“内もも痩せ”効果が期待できますし、骨盤の安定性も増すので、姿勢改善や腰痛予防にもつながります。さらに、女性は尿漏れ予防効果も期待できますよ」
今村さん「歩幅を広げることで下半身全体の筋肉を効率よく使うことができます。とくに、お尻部分にあり体の中で最大の筋肉である大臀筋(だいでんきん)の活動が活発になるので基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなります。また、ヒップアップ効果も。第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉も効果的に使えるので、血行促進効果もありますよ」
今村さん「多くの人は腕を前に振る傾向がありますが、意識して後ろに引くようにしましょう。そうすることで肩甲骨周りの筋肉が動き、褐色脂肪細胞(※1)が活性化されます。褐色脂肪細胞は、体に蓄積された白色脂肪細胞 (※2)を燃焼させる働きがあるんです。さらに、腕を後ろに引くことで自然と胸が開き、猫背の改善にもつながります。姿勢が良くなることで、内臓脂肪の燃焼にも効果がありますよ」
※1:主に首やわきの下、心臓、腎臓のまわりにあり、脂肪分を分解して燃焼させる作用のある細胞。
※2:皮膚の下や内臓などにあり、体内の余分なエネルギーを脂肪として蓄える細胞。
ウォーキング効果を最大化する準備と実践のコツ
効果的な歩き方のポイントを押さえたら、さらにダイエット効果を高めるコツもチェック。簡単な準備と、ウォーキング中の呼吸法を意識するだけでさらにウォーキングの効果が高まります。
今村さん「ウォーキング前には、使いたい筋肉や痩せたい部分をマッサージするのがおすすめです。例えば、ふくらはぎをしっかり使いたいなと思ったら、ふくらはぎをさすると、意識して使えるようになります。ウォーキング中は、呼吸も意識してみましょう。具体的には3秒で吸って7秒で吐く、といったリズム。つまり、吐く時間を長くとるのがポイントです。これにより酸素摂取量が上がり、脂肪燃焼効果も高まりますよ」
ウォーキングダイエットは、時間や距離を気にするよりも正しい歩き方で継続して歩くことが大事。正しい歩き方を意識すれば、日常生活がそのままダイエットにつながります。できる部分から「3つの柱」を取り入れて、今日から新しい歩き方で、健康的な体づくりを始めましょう!
この記事の内容は2024年10月16日時点での情報です。