季節によって異なる電気使用量。どれだけ使用するかによってもちろん電気代も大きく変わります。特に夏や冬は使用量が増えるため電気代に悩む人も多いのでは。そこで、家電王・中村さんに夏や冬の電気代と節約方法について教えてもらいました。
電気代が高いのは冬!その理由は?
夏と冬どちらも電気代が高いイメージがありますが、意外にも冬のほうが電気代が高い傾向にあります。総務省の「家計調査」によると、2023年の夏(7〜9月)と冬(1〜3月)の電気代は、いずれの世帯でも冬のほうが夏よりも電気代が高く、その差は2倍に近いことがわかります。
このように電気代が高くなる理由は「適切とされる室内の設定温度と室外の気温の差にある」と中村さんは指摘します。
中村さん「環境省が推奨するエアコンの適温は夏が28℃、冬が20℃です。東京都を例にすると、日最高気温の月平均(実線)とこの適温(点線)との差は夏よりも冬のほうが大きくなっています。つまり、冬のほうが適温に近づけるために大きなエネルギー量を必要とするので、電気代も冬のほうが高くなりがちです」
冬の電気代は使う電気器具がポイント
冬は電気以外の都市ガスや灯油といった熱源を使う方も多いので、電気代だけの比較は少しわかりづらいのですが、冬の電気代が高くなるのは、エアコン以外の電気の暖房器具を併用することが理由の一つとして考えられます。暖房器具のコストを比較すると、電気ヒーター(※1)を使用した場合、効率平均のエアコンの6倍近い費用がかかることがわかります。そのため電気代を抑えるためにはエアコンの使用がおすすめと中村さんは言い切ります。
中村さん「エアコンはヒートポンプ式のしくみを活用しています。ヒートポンプ式は熱をつくるのではなく、空気中にある熱をポンプのようにくみ上げて移動させる技術で、エネルギー消費量が少なくなるため、電気代が安くなります。
部屋全体を暖めるのにはエアコンを使用し、そのほかの暖房器具は局所的に暖めたいときにのみ使用するなど、使い分けをするとよいでしょう。より暖かさを体感するためには、エアコンと併用して加湿器やサーキュレーターを使うのもおすすめです」
※1:赤外線ヒーターやこたつ、ホットカーペットなどを含みます。
節約の第一歩は、自宅の電気代を把握すること
電気代が高くなる冬に備えて、計画的に節電をしていきたいところ。中村さんは「電気代を節約するにはまずは自宅の電気代を把握することが大切」と言います。平均的な電気代(※2)と比較して自身がどのくらい電気を使用しているのかを整理しましょう。
東京電力エナジーパートナーの料金プランに加入していれば、「くらしTEPCO web」を利用するのがおすすめ(※3 )。東京電力エナジーパートナーの担当者、細谷弘毅さんによると、前月分の料金だけではなく、当月の速報料金や使用量、日別や時間別の使用量もチェックすることができるとのことです(※4)。
細谷さん「日別や時間帯別の電気使用量を見ると、そのときにどんな器具を使用していたか確認できるので、節電を検討するヒントになります。また、同居人数などのプロフィールを入力いただければ 、お住まいの地域で同様のプランを使用している家庭と電気料金などの比較をすることができます。ほかにも、『今月の目標金額』を設定しておくと、月の中間でこのまま使用した場合に目標金額を達成できるかを通知することも可能です」
電気代に悩んでいる人はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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※2:2024年10月のモデルケース(従量電灯B、30A、260kWh)の料金は 、7,864円/月となります。その他の月分は、こちらよりご確認いただけます。
※3:対象の料金プランはこちらをご確認ください。
※4:ご契約のプランによって一部機能が制限される場合があります。
この記事の内容は2024年10月16日時点での情報です。