肌ダメージにトマトが有効。リコピンの吸収率を上げるレシピ

強い日差しが照りつける夏に気になるのが紫外線による肌ダメージ。そんな時期に定期的に取り入れたいのが、肌ダメージの予防効果が期待できる天然のサプリメントであるトマトです。そこで今回はトマトがもつパワーやレシピを紹介します。

トマトが紫外線対策に効果的って本当?

 

“トマトが赤くなると医者が青くなる”ということわざがあるというように、トマトには医者いらずになれる効能がたくさんあり、健康面だけではなく、紫外線の肌トラブルにも効果が期待できると言われています。

そこで、夏の紫外線対策にトマトのパワーを上手に活用するべく、“トマト博士”の唐沢明さんにお話をうかがいました。幼少期から毎日1Lのトマトジュースを飲み続けているという唐沢さんならではのトマトレシピもお届けします。

 

今回お話をうかがった方
トマト博士 唐沢明さん

トマト研究家、大学で講師を務める。トマトのダイエット効果やトマト料理レシピの研究を中心に、トマト大好きサークル「トマト赤デミー」を主催。テレビ、雑誌、イベントなどへの出演も多数。主な著書に『夜トマトダイエット』(ぶんか社)、『トマトジュースダイエットレシピ』(サンクチュアリ出版)など。40歳のときに肌年齢が18歳だったという美肌の実績を持つ。
X(旧Twitter)

 

リコピンを摂取するのが紫外線予防の近道

 

そもそもトマトが紫外線を浴びた肌に効果的だと言われる理由は、トマトに多く含まれるリコピンが関係しているからだと唐沢さんは言います。

色素成分であるカロテノイドの一種であるリコピンは、強い抗酸化力を持ち、紫外線を浴びることで皮膚に発生する活性酸素を消去してくれる働きがあります(※1、2)。抗酸化力とは、文字どおり体の“酸化”を防ぐもので、シミ・しわ・たるみなどの予防作用が期待できると言います。

唐沢さん「紫外線を長時間浴び続けることにより、大量の活性酸素が生み出され、シミやしわ、たるみが現れます。イメージとしては、リコピンはこれらにブレーキをかけてくれると考えてください。

ちなみに近年はリコピンと紫外線を浴びた肌に関する研究も進んでいて、『10週間トマトペーストからリコピンを摂取した人は、摂取していない人よりも紫外線を浴びたあとの肌の赤みが40%軽かった』という研究結果も報告されています(※3)。この結果のように、短期的にではなく継続的にトマトを摂取することが、紫外線から肌を守ることにつながると考えられます」

※1:日本ビタミン学会「生体における一重項酸素の生成と消去―酸化ストレスとの関わりを考える―」
※2:日本食品科学工学会「カロテノイド含有野菜のヒト健康への寄与およびその利用に関する研究」 
※3:The Journal of Nutrition「Dietary Tomato Paste Protects against Ultraviolet Light–Induced Erythema in Humans」 

 

リコピンの吸収率を高める! 簡単&絶品トマトレシピ

 

生のままでもおいしく食べられるトマトは、サラダとして食べることも多いでしょう。しかし、唐沢さんは生ではなく加熱して摂り入れることを強くおすすめしています。

唐沢さん「実はトマトは加熱することで、リコピンの体内吸収性が上がると言われています(※4)。また、リコピンは脂溶性のため、油と一緒に摂ることでより吸収率が上がります。トマトを食べる際には、油と一緒に加熱調理するといいでしょう

せっかくトマトを食べるなら効率よく栄養を摂取しつつ、無理せず継続できる方法を見つけたいもの。そこで今回はおいしくて簡単なトマトの和風レシピを2品紹介します。

※4:日本調理科学会誌「特定の野菜との加熱調理によるトマトリコピンのcis異性化の促進」

 

炊飯器に具材を入れるだけ! 「トマトの炊き込みご飯」

※中玉トマト(150g)のリコピン含有量を4.5mgで計算。

 

唐沢さん生のトマトに加えて、トマトジュースを入れることでリコピン摂取量がアップします! さらに、リコピンは脂溶性なので、油漬けツナ缶を使用することで、油と合わさり吸収率がもっと上がります。使用するトマトジュースは、無塩タイプでサラサラしたものがおすすめ。ジュースがご飯に染み込み、トマトの酸味と甘みもしっかり感じられます。塩昆布のしょっぱさもいいアクセントになっていて、箸が進みますよ!」

 

毎日の味噌汁にトマトをイン「トマトの味噌汁」

※中玉トマト(150g)のリコピン含有量を4.5mgで計算。

 

唐沢さん「日常的に食べている味噌汁にトマトを脇役として入れることで、継続してトマトを摂取してほしいという思いから考案したレシピです。椎茸を入れることで、うまみが増し、そこにトマトの程よい酸っぱさが加わりいつもの味噌汁とは違った味わいに! トマトの味を強めたい人は、水の代わりにトマトジュース(無塩タイプ)を使用して、トマトジュースと味噌のみで味つけするのもいいでしょう。その場合は味噌を少し多めに入れたほうがおいしく食べられます」


紫外線が強くなる暑い季節に、トマトを摂取して、体の内側から紫外線による肌のダメージを防ぎましょう。調理方法を意識して、毎日の食事にぜひ“トマトッピング”してください!

この記事の内容は2023年7月19日時点での情報です。