ペットの防災対策!日頃の備えと役立つアイテム4選


予期せぬ災害からペットを守るには、日頃の備えが欠かせません。今回は人とペットの防災救急塾の立岡伸章さんに聞いた、ペットの防災対策を紹介します。今のうちから準備をしておき、もしもに備えましょう!

ペットの防災対策、事前の準備が何より大切

 

災害時にいちばん大事なことは「自分の身を第一に守ること」。自分自身が無事でないとペットを守ることはできません。そのうえで、ペットと一緒に避難する際の避難先としては以下の場所が考えられます。

 

災害時にそれぞれの場所でペットと過ごす際のポイントと、事前準備について確認しましょう。

 

【自宅で過ごす場合】食料・水・常備薬を確保すること

安全確認を確実に行い、住み慣れた自宅で過ごすことができれば、ペットへのストレスも少なく安心です。食料や水、常備薬や緊急用品などの備蓄は、最低3日分、できれば7日分を準備しておきましょう。その場合、用意する食料はペットが普段から食べなれているものがおすすめです。

 

【避難所・車中で過ごす場合】非常持ち出し袋を常備すること

自宅で過ごせない場合は、避難所が候補地となりますが、避難所によってはペットの受け入れが不可な場所もあります。避難所の場所はハザードマップなどであらかじめ確認できますが、ペットと同行避難ができるかどうかは載っていないこともあります。お住まいの市区町村に問い合わせて、事前に確認しておきましょう。

なお、災害時でもペットと一緒に過ごしたいという方は、車中避難という選択もあります。その場合には、車に非常持ち出し袋などを常備して、ペット用の食料や水を確保しておくのがおすすめです。

 

【お困りごと別】ペットの防災に役立つアイテム

ここまで見てきたように、災害時に対応できるかどうかは事前準備が重要です。そこで、立岡さんに災害時のよくあるお困りごとをうかがい、定番の防災グッズである「非常持ち出し袋」以外のお役立ちアイテムをピックアップしました。必須アイテムというわけではありませんが、災害時のペットとの避難生活をサポートしてくれます。日常生活でも使用できるものなので、常用し災害時に備えておくといいでしょう。

 

お困りごと①災害時にペットが逃げてしまう

ペット用GPS Tractive 犬猫兼用 6,900円(Tractive Japan/TEL:050-3707-6088)

 

災害時は普段と同じ生活はできません。ペットから目を離してしまうこともあるでしょう。また、避難時もペットから離れないことがいちばんですが、どうしても一緒にいられなかったり、いつもと違う状況の中で逃げ出してしまったりするペットも多いものです。そんなときのために「GPS」をつけておくのがおすすめ。いざというときにペットの位置を把握できます。

 

「Tractive(トラクティブ)」は、世界No.1のペット用GPSです。GPS衛星で位置情報を取得するため、追跡範囲や距離に制限がなく、リアルタイムに位置情報を確認できるのも特徴です。
また、位置情報だけでなくカロリー消費や運動量など健康管理機能も備えており、災害時以外の日常使いもできます。首輪や、よく使うリード、ハーネスなどに装着しておくのがおすすめです。GPSには、人用の商品もありますが、精度や安全性を考慮して、ペット用のものを使用するのがいいでしょう。

 

お困りごと②災害後の道路は危険が多く、ペットを歩かせられない

グリップトレックス 2個セット6,600円(モンベル・カスタマー・サービス/TEL: 06-6536-5740 )※前足と後足で履く場合は同商品を2つご用意ください

 

割れたガラスが飛び散っているなど、災害後の道路は危険が伴います。そんな道路で犬を歩かせてしまっては、肉球を傷つけてしまうことも。そこで用意しておきたいのが、ドッグシューズです。

アメリカの犬用アウトドアブランドRUFFWEARの「グリップトレックス」は、グリップ力が高いオフロード用ブーツです。犬の足の特徴にあわせてデザインされたアッパーと人間用の登山ブーツでも高い信頼性を誇るビブラム(R)ソールの組み合わせが、足裏をしっかりと保護してくれます。

 

注意点は、災害時にいきなり犬に履かせないこと。犬は足裏がとても敏感なので、普段履きなれないものを嫌がる場合があります。日々の散歩などで履かせて、慣れさせておくことが大切です。災害時に備えて、ドッグシューズを履いて散歩に行くというのもいいでしょう。

 

お困りごと③いつもと違う環境にストレスや不安を感じてしまう

Victorポータブル電源「BN-RF800」118,800円、JVCポータブルソーラーパネル「BH-SP68A-H」30,800円(JVCケンウッドカスタマーサポートセンター/TEL:0120-2727-87〈固定電話〉/0570-010-114〈携帯〉)

 

災害時、ペットは環境の変化によってストレスを感じやすくなります。万が一、停電も発生すると、電気もつかないため、なおさら不安になるでしょう。そんなとき、停電中でも活用できる「電源バッテリー」があれば、ペットのストレスや不安を軽くすることができます。
たとえば、明かりをつけたり、冷暖房器具を使って過ごしやすくしたりと、少しでも普段の環境に近いことをしてあげられます。

 

Victorのポータブル電源「BN-RF800」はフル充電で約43回スマホを充電できます。また、ソーラーパネルを使って発電や蓄電できるモデルなら、長期間の避難時も安心です。同メーカーのポータブルソーラーパネル「BH-SP68A-H」などと組み合わせることで、屋外でもポータブル電源を充電することが可能になります。

 

お困りごと④ペットは暑さや寒さに弱い

 

災害の影響で停電していれば、自宅でも避難所でもエアコン設備は使えなくなるでしょう。真夏や真冬では暑さや寒さをしのぐのが大変です。特にペットは体温調整が苦手なので、暑い夏は涼めるアイテム、寒い冬は暖が取れるアイテムを用意しておきたいもの。

夏場は、ポータブル冷風機が活躍します。ペットに直接冷風を当てると体調を崩す場合もあるので、ケージに入れて少し離れた位置から風を送るなど工夫するといいでしょう。
また、長時間冷却が続く「冷感マット」があるとペットの体温が下がります。一方冬場は、保温効果のあるマットや電気毛布などを使って暖かくしてあげましょう。なお、停電している可能性もあるため、先に紹介したポータブル電源を備えておくとより安心です。

 

ペットとの避難のためには危険の予測が大事

いつどこで何が起こるか分からない災害時でも、ペットの安全を確保できるかどうかは飼い主の日頃の備えで変わってきます。大切なペットを守るために今からできることをはじめましょう。

 

この記事の監修
立岡伸章さん(人とペットの防災救急塾/救急救命士)

弘前医療福祉大学短期大学部救急救命学科学科長・教授/弘前医療福祉大学短期大学部地域安全防災研究所所長。大学では人とペットの防災についての研究を行っている。また、自身の経験を生かした防災講習や救命講習などの指導も行う。自身も大の愛犬家。

 

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この記事の内容は2023年8月18日時点での情報です。