今こそ、「ZEH」を検討すべき4つの理由


家族との時間を過ごす大切な住まいを、サステナブルで快適な空間にしたいと考えている方も多いのでは? そこで注目なのが、最近話題の「ZEH(ゼッチ)」です。これから家を建てる方に向け、ZEHをおすすめする理由について解説します。

ZEHは「エネルギーが実質的にゼロ以下になる住宅」

 

ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の頭文字をとった略語です。暮らしで消費されるエネルギーが実質的にゼロ以下になる住宅、と要約すればイメージしやすいかもしれません。ZEHとして認められるためには、主に3つの条件を満たす必要があります。

①優れた断熱性を持つ建材を使用

壁や窓などに、基準を満たす断熱効果が認められる建材を使用し、従来の省エネ住宅よりも優れた断熱性を持つことがZEHの必須条件です。

②エネルギー消費量が低い省エネ設備を導入

冷暖房や照明、給湯システムといった設備の省エネ性能が基準以上であることも、ZEHの条件となります。

③太陽光発電を導入

「ゼロ・エネルギー」を目指すためには、エネルギーを生み出す太陽光発電の導入も条件です。


 


ZEHを検討すべき理由①光熱費を大幅に節約できる

もっともわかりやすいZEHのメリットは、光熱費の節約です。ZEHの基準を満たす住宅は、断熱性が強化されているため、夏は外からの熱を遮断し、冬は外へ熱を逃がしにくくなります。つまり、冷暖房に使用するエネルギーを必要最小限に抑えられるわけです。

また冷暖房のほか、照明や給湯システムの省エネ性能も高いため、消費エネルギーは、より削減されます。さらに太陽光発電を導入すれば、エネルギーの自給自足も可能になります。まさにサステナブルな住宅と言えるでしょう。

ここで気になるのは、従来の省エネ住宅と比べ、光熱費がどれだけ節約されるかです。一例として、国土交通省が試算した光熱費の比較シミュレーションをご紹介します。

 

ZEH普及のために作成されたパンフレット『待って!家選びの基準変わります』(※1)によると、東京都23区の場合、現在の省エネ基準を満たす住宅における、年間の光熱費は23万9,000円です。

対して、太陽光発電を導入したZEHの基準を満たす住宅における、年間の光熱費は15万3,000円です。

つまりZEHは、従来の省エネ住宅に比べ、年間で8万6,000円も光熱費を節約できることになります。仮に、住宅ローンの期間を35年とすれば、この期間に節約できる光熱費は約300万円となります。

※1:国土交通省「待って!家選びの基準変わります」


 


ZEHを検討すべき理由②優れた断熱性による快適な暮らし

光熱費の節約以上に重要な、ZEHのメリットといえるのが住居の快適性です。

断熱性が高いZEHの基準を満たす住宅は、季節を通じて屋内の室温の変動が緩やかになります。実際にZEHの住宅に住んでいる方を対象としたアンケート調査では、以前の家と比べて暮らしの快適さを実感しているという意見が多く寄せられています(※2)

 

また、高い断熱性を持つ住宅に暮らすことで、睡眠の質の向上が期待できたり、子どもの喘息の予防効果が期待できたりと、健康面でもさまざまなメリットがあるとされています。

※A:Odgerel Chimed-Ochir et al.「Perception of feeling cold in the bedroom and sleep quality」、※B:日本サステナブル建築協会「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査第6回報告会」

 

光熱費の節約はもちろん、暮らす人の生活の質(QOL)向上に役立つことも、ZEHを選ぶべき重要なポイントと言えるでしょう。

※2:環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会 2022」


 


ZEHを検討すべき理由③今なら国や自治体の補助金がもらえる

このようにメリットが多いZEHですが、従来の省エネ住宅に比べ、建築時の費用は高額になります。

家の大きさや、導入する設備の種類にもよりますが、先ほどご紹介した国土交通省の資料(※1)によれば、トータルで200万〜300万円程度かかる場合もあります。

しかし、2023年現在では、ZEHの導入にかかる費用に対して、国や自治体から補助金が出されています。

ZEHの種類や建築条件によって、もらえる補助金の額は変わりますが、例えば、国の「こどもエコすまい支援事業」を利用した場合、最大100万円の補助を受けることが可能です(※3)。また東京都などの自治体は国の補助金と併用可能な補助金も用意しています(※4)

※3:国土交通省「『住宅取得に使える3つの支援策』リーフレット」
※4:クール・ネット東京「令和5年度東京ゼロエミ住宅導入促進事業」


 


ZEHを検討すべき理由④初期コストを抑えるサービスも

ZEHの基準を満たす住宅を建てる際にかかるコストの大半を占めるのが、太陽光発電の導入費用です。ある程度は補助金で補えるとはいえ、初期コストをなるべく低く抑えたいと考える方も多いでしょう。

そこで役立つのが、最近増えている太陽光発電等の定額利用サービス(リースやPPA)です。たとえば、東京電力グループが提供する「エネカリ/エネカリプラス」を利用すれば、月々定額の利用料のみ(初期費用0円※)で太陽光発電をはじめ、蓄電池、おひさまエコキュート等の設備を導入することができます。

※機器費用と標準工事費を指します。ご契約いただくサービスにより初期費用として足場費用等がかかる場合がございます。

 

また、「エネカリ/エネカリプラス」は、利用期間中の自然故障の場合は無償で修理ができ、さらに利用期間満了後には、そのまま設備を無償で得ることができます。


▼定額機器利用サービス(エネカリ・エネカリプラス)の詳細はこちら



2030年にはZEHが基本となる社会に! 資産価値の観点からもおすすめ

現在、国や自治体が補助金を出してZEHを推進している理由は、サステナブルな社会の実現にあります。ZEHが普及すれば、社会全体のエネルギー消費を抑えるほか、カーボンニュートラルにも貢献できるからです。

そのため、国ではZEHの普及を目指す計画を立てており、2030年までに新築住宅はZEHの基準に適合し、2050年には既設住宅を含めて平均でZEH基準をクリアするとしています(※2)

環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会 2022」より、くらしのアイデア編集部が作成

 

こうした取り組みは、住宅の資産価値にも影響を及ぼすでしょう。なぜなら、ZEHの基準を満たさない住宅は、資産価値を保ちにくくなる可能性があるからです。

このようにZEHは、サステナブルな社会の実現に貢献するだけでなく、家族と暮らす住宅の価値を守る観点からも注目すべき存在と言えます。子どもや孫の世代になっても、安心して暮らすことができる住まいを求めるなら、この機会にZEHの導入について検討してみてはいかがでしょうか。


この記事の監修
後藤 邦彦

東京電力エナジーパートナー株式会社勤務。 東京電力株式会社に入社後、オール電化住宅の普及・拡大業務に従事。国土交通省住宅局に出向し、住宅省エネルギー基準に関する業務を経験。現在は、住宅分野の技術ソリューション業務等に携わる。

 

 

 



この記事の内容は2023年9月15日時点での情報です。