年末がベストシーズン。冷蔵庫の大掃除のススメ

 


一年中稼働している冷蔵庫は掃除をする機会が少なく、年末の大掃除でも見逃しがち。家庭で簡単に作れるお役立ちアイテムを使った効率的な冷蔵庫掃除の方法を掃除のプロに聞きました。

今回お話をうかがった方
大津たまみさん

一般社団法人日本清掃収納協会会長。お掃除・お片づけのプロとして30年以上のキャリアを持ち、さまざまなメディアに出演。一般社団法人 日本清掃収納協会も立ち上げ、日本のみならず海外にもお掃除・お片づけ・生前整理の普及に努めている。

冷蔵庫の掃除には冬が最適!

 

冷蔵庫の掃除を冬に行うのがおすすめである理由は、食中毒のリスクが減るためです。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温が20℃以上になると発生しやすくなります。

掃除の間、冷蔵庫の中身を外に出す際に、夏場は冷房で室温を下げる必要がありますが、冬は暖房を切るだけで外気温に近くなるので、食材の痛みや菌の増殖を防げます。

大津さん暖房を切るので、節電という面でも冷蔵庫の掃除は冬にするのが最適です。また、おせちなど食材が増える前の時期に冷蔵庫を整理できるのも冬におすすめの理由です。食材の量を把握することで、必要なものだけを揃えられるため無駄もなくなりますよ」

 

プロが推薦!冷蔵庫の掃除に役立つアイテム

 

大津さんが冷蔵庫の掃除で必須のアイテムとして紹介するのは、写真の8点です。いずれも掃除のプロたちが使うアイテムですが、自宅でも簡単に揃えられると言います。

大津さん「冷蔵庫の外側や上側にはほこりや油の汚れが、内側にはいろんな汚れが凍ってこびりついています。外側はスポンジと食器用洗剤、内側はマイクロファイバークロスと重曹水(100mLの水に対して小さじ1杯)の組み合わせが効率的です。

細かい部分は綿棒や歯ブラシなどを使い分けます。歯ブラシは柄の部分をライターであぶり、ブラシ部分を90度に変形させると、隅に溜まった汚れの掃除に活躍する“ヘブラシ”に変身します」

 

プロによる冷蔵庫の掃除テクニックを再現

冷蔵庫の掃除はまず、冷蔵庫の電源を切るところからはじまります。大津さんは、部屋の暖房を切って暖かい服装で行うことをおすすめしています。

大津さん「中には電源を切らずに冷蔵庫を掃除しようとする人もいますが、冷えた状態では汚れが落ちにくいもの。また、電源をつけたままだと、冷蔵庫が庫内を冷やそうとするため余計に電力を消費してしまいます。電源を切ってから30分ほどおき、庫内の温度が上がるのを待ちましょう」

続いて、冷蔵庫のお掃除のポイントを説明します。

 

ポイント1:電源を切って食材を全部外に出す

 

冷蔵庫の電源を切ったら、食品や飲料水、調味料などをすべて取り出しましょう。

肉、魚、冷凍品、乳製品は、できる限りクーラーボックスに入れます。温度が上がらないように、保冷剤を使うのがおすすめです。

大津さん「取り出す過程で賞味期限をチェックし、期限を過ぎているものは捨てると、冷蔵庫の整理につながり、戻す手間も省けます」

 

ポイント2:取扱説明書を参考に、パーツをすべて外す

 

食品を取り出したら、仕切りや引き出しをはじめ、冷蔵庫のパーツを取り外します。取り外せるパーツはすべて外し、お湯で溶いた重曹水で洗いましょう。製氷機や給水タンクも冷蔵庫から外し、分解して洗います。

 

大津さん「製氷機や給水タンクの外し方や分解の方法は、取扱説明書に記載されています。口に入る氷を作る製氷機や給水タンクを洗うときは、洗剤を使うのはNG。重曹水を使うと安心です

 

ポイント3:上から順に掃除をする

 

大津さんによると、効率よく冷蔵庫を掃除するコツは、上から下に向かって掃除をすること。冷蔵庫の上から、庫内、冷蔵庫の下と順に掃除をしていきます。油やほこりの汚れが多い冷蔵庫の上は食器用洗剤とスポンジで拭きます。

 

大津さん庫内はお湯で溶いた重曹水とマイクロファイバークロスでお湯拭きしてから、から拭きを。しつこい汚れには、42度のお湯に食器用洗剤を溶かしたところにつけたマイクロファイバークロスで拭きます。最後に消毒用エタノールを吹きかけて、キッチンペーパーで拭き取ると除菌もできてなおよしです」

 

冷蔵庫の下も忘れずに。ほこりや食べかすが溜まっています。

大津さん「ストッキングをまいたハンガーを使うと、簡単にゴミをかきだすことができます」

 

ポイント4:細かい部分もくまなく掃除

 

最後に細かい部分を掃除します。ポケットの隅やパッキンは、綿棒や歯ブラシを使うのがおすすめです。

 

大津さん「先端が斜めになった割り箸にいらない布をまきつけたものも深さがあるポケットなどの掃除で役立ちます」

 

日頃から冷蔵庫をきれいに保つコツ

冷蔵庫内の汚れは、瓶詰や調味料の漏れなど、いわゆる「液だれ」が多いのだとか。底面にシャワーカーテンなどを敷くと、日ごろのお掃除が楽になります。

大津さん「少しでも手間を省くためには、瓶詰や調味料はトレイにのせ、総菜や食材を冷凍する際にはジッパーつきバックに入れると液だれ防止につながります。掃除の手間や省エネを考えると、冷蔵庫は7割程度、冷凍庫は9割程度の詰め具合に保つのがおすすめです」

 

冷蔵庫掃除は定期的に行うのがベスト

 

大掃除は年に1回でも「できれば3か月に1度は冷蔵庫の掃除をしたいところ」と大津さんは話します。

大津さん「キッチンの掃除といえば、レンジフードや換気扇と考える人が多いのですが、冷蔵庫の掃除もお忘れなく。冷蔵庫掃除だけでも2~3時間かかってしまうので、庫内の整理も合わせてプロにお任せするのも一手です。毎日使うものだからこそ、キレイな状態で新年を迎えませんか」

この記事の内容は2023年12月12日時点での情報です。