引越し先に持ち込まない!断捨離で部屋も心もスッキリ

 

引越しの予定がある方は、断捨離で自分に必要なものを見極めて、新生活で気分を一新しませんか? この記事では、断捨離を世間に広めたやましたひでこさんに、引越しの際の断捨離の心得を教えてもらいました。

今回お話をうかがった方
やましたひでこさん

「断捨離」の提唱者。学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み、自己探訪メソッドを構築。著書『断捨離』(マガジンハウス刊)などベストセラー多数。

 

引越し前の断捨離で家と心が身軽になる!

断捨離で大事なポイントは「判断する・決める・捨てる」の3つ。不要な物を捨てることだけが断捨離ではありません。中でも重要なのが「いる・いらない」の判断。日常で判断をするのは、なかなか難しいものですが、家にあるものをすべて動かす必要がある引越しのときなら、普段よりも判断力が高まるのではないでしょうか。その際、不要な物を捨てるのではなく、必要な物を選ぶと考えれば、断捨離しやすくなるかもしれません。

家の中にあるものを見直して処分することで、引越しで使う段ボールの量も減ります。そうすると荷造りや荷解きもずいぶん楽になるので、断捨離は引越し前に行いましょう。

 

誰でも断捨離ができるようになる4つの心得

断捨離で第一関門となる「いる・いらない」の判断が苦手という方のために、断捨離への気持ちが軽くなるアドバイスを聞きました。

 

その1:引越しを前向きに捉える

ソファでくつろいでいるイラスト

 

引越しの理由はさまざまです。入学や結婚など新生活を機に自らの意思で引越す方もいれば、転勤などの理由で引越すこともあるでしょう。どんな理由であっても、心機一転するチャンスだと考えてみてください。

やましたさん「引越しの際に行う断捨離は、次の生活に必要な物を選びながら現状を受け入れるいい機会と考えてください。やむを得ない引越しの場合も、ネガティブな気持ちから脱却する機会にし、きっといいことが待っている! と新生活に希望を持つと心にゆとりが生まれます」

 

その2:ときには勢いも大切。迷った時点で不要とみなす

不必要の選択イラスト

 

やましたさんこれ、いるのかな…と迷った場合、それはすでに自分との関係が終わった物と考えるべきかもしれません。本当に大切な物や引越し先で必要な物は、迷わず段ボールに梱包するはずですから。少しでも迷った物は、勢いにのって捨ててしまうのもひとつの手です」

何年も着ていないけど捨てるにはもったいない洋服などは判断に迷いがち。しかし、「とりあえず取っておこう」と思うことには注意が必要です。新居で未開封の段ボールができ、何年も放置する結果が想像されます。持っていった物を全部開封して、キレイにおさまるぐらいが正しい引越しです。判断を面倒に思わず、迷った物は捨てる勇気を持ちましょう。

 

その3:思い出の品やコレクションも断捨離の対象にする

思い出の品イラスト

 

思い出の品、大事な人からの贈り物、好きで集めたグッズなどの大切な物こそ、引越しの際に断捨離の対象とすべき。断捨離では、物への執着と上手に付き合うことが重要です。大切な物を手放すのは勇気がいりますが、「大切な物だから絶対に捨てない」と決めつけず、柔軟に考えてみてください。

やましたさん断捨離は自分と物との関係性を問う作業です。今の自分にとってどういう存在の物か考えてみるといいですよ。今はいらない物でも、思い出として今後も必要なら断捨離は不要です。大切な物の価値がわかるのは自分だけなので、よく考えて判断をしましょう。思い入れがある物の断捨離に時間がかかるかもしれないので、引越しの際は、最初に取り掛かってもいいかもしれません」

 

その4:断捨離に後悔はつきものだと受け入れる

捨てたものを後悔しているイラスト

 

「捨てたことを後悔する可能性があるから捨てられない」という方もいるでしょう。ですが、断捨離に後悔はつきものです。捨てて後悔するリスクもありますが、思い切って捨てることで、物への執着が減って新しいことに貪欲になり、そこから発見や出会いが生まれて成長できることもあります。

やましたさん「後悔したくない気持ちが優って断捨離をしないのは正直もったいないです。後ろめたさを恐れず、試行錯誤しながら自分の断捨離への判断基準を作っていきましょう」

 

断捨離でのNG行動は?世帯別で気をつけたいポイント

世代別の引越しにおける断捨離のコツやありがちなタブーを聞きました。

 

2〜4人暮らしの場合

やましたさんによれば、断捨離で一番重要なのが「自分の物は自分で断捨離する」ということ。家族それぞれが主体的に判断することが大切で、他の家族が領域を犯してはいけないと言います。

特に気をつけたいのは、親が子どもの物を勝手に断捨離すること。子どもの物を勝手に捨てる、「捨てなさい」と指示するといった行為はNGです。親にはただの物にしか見えなくても、子どもには大切な宝物かもしれません。宝物を勝手に捨てられたら、怒りもありますし、子どもに考えてもらうことが大切です。

また、新居が今より広くなる場合でも、同じように断捨離は行うことをおすすめします。

やましたさん「家の広さは気にせず、自分に必要か不要かで判断をしてください。広いからといって余計な物を持っていっても、結局は段ボールのまま放置しがちです」

 

1人暮らしを始める場合

1人暮らしを始める方は、自分の新しい生活でいる物・いらない物を判断しながら断捨離をしましょう。いる物だけ新居に持っていき、いらない物を実家に残すこともありますが、実家に物を置いたまま家を出るのは避けてほしいと話します。空いた部屋を他の家族が荷物置きにするのも同じです。空き部屋があるなら、物置ではない使い方を考えましょう。

やましたさん「家は物置ではありません。実家から巣立っていくなら親離れ・子離れをし、自立することが大切です。たくさんの荷物を放っておくと、それが親の老後の負担になり結局自分に返ってくることも考えられます」

 

自分にとってベストな断捨離を

引越しの際に断捨離をしなければ、年々家の中の物が増えていく傾向にあり、それが災害時に大きな被害をもたらす恐れもあります。断捨離には、このような「物を持ち続けるリスク」を防ぐ効果もあるのです。安心できる暮らしにつながったり、気持ちがスッキリしたりなど、ただ物を処分するだけでないさまざまなメリットがあります。

リビングの写真

やましたさんの自宅リビングの様子©『モノが減ると「運」が増える〜1日5分からの断捨離』(大和書房刊)より

 

「いる・いらない」の判断は人によって違うので、捨てる基準は自分で作るしかありません。捨てて後悔することも経験しながら、自分にとって理想的な断捨離の形を見つけていきましょう。

やましたさん「断捨離はやればやるほど奥深さがわかってきます。引越しを、不要な物を抱えていた自分から卒業するいい機会と思い、こんなものが好きだった、これは飽きたなどを感じながら、ぜひ楽しんで断捨離をしてください」

この記事の内容は2024年2月15日時点での情報です。