引越しこそチャンス!契約アンペア数を見直して賢く電気を利用する方法

春は新しい生活がスタートする季節。引越しをして住環境や生活スタイルが変わるなら、電気契約を見直す絶好の機会です。そこで注目したいのがご家庭の契約アンペア数。その理由や見直す際のポイントを解説します。
※:この記事は東京電力エナジーパートナーと契約している方を対象とし、情報は東京電力エナジーパートナーの契約プランに基づいています。

今回お話をうかがった方
冨満美翔さん

東京電力エナジーパートナー株式会社勤務。東京電力株式会社に入社後、一般家庭の停電復旧対応や電気工事の竣工調査業務に従事。エナジーパートナーへ転籍後、家庭分野の電気・ガス販売営業業務を経験。現在は、本社にて家庭分野営業の企画などに携わる。

 

引越しは電気契約を見直すベストタイミング

引っ越しの様子

画像:iStock/tampatra

 

早春にあたるこの季節は、新しい生活のために引越しの準備をしている人も多いことでしょう。「生活スタイルが変わるときこそ、電気契約を見直すベストのタイミングです」とアドバイスするのは東京電力エナジーパートナーの冨満美翔さんです。

冨満さん引越して世帯人数が増えたり、部屋数が多くなれば、その分使用する電化製品が増え、電気使用量も変わる可能性があります。たとえば、お子さんの部屋をつくったらエアコンなどによる電気使用量が増えます。だからこそ、引越しは電気契約を見直す絶好の機会なのです」

 

契約アンペア数の見直しで電気料金がお安くなることも

電気契約を見直すなら、まず「契約アンペア数」について知っておく必要があります。契約アンペア数の「アンペア(A)」とは、家庭で一度に使える最大の電流を示す単位のこと。電気の基本料金は、契約アンペア数によって変わります。

冨満さん「月々の電気料金の基本料金は契約アンペア数に応じて決まります。たとえば当社の場合、40Aは月々約1,180円で、50Aはそれより300円ほど高い約1,476円です(※1)。電気の契約期間は1年単位ですから、生活スタイルに合った契約アンペア数を選ぶことで電気料金が年間で3,000円程度お安くなる場合もあります(※2)

※1: 2024年2月時点の東京電力エナジーパートナーの電気料金プラン「ス タンダードS」の場合。単価の詳細はこちら から確認ください。
※2:契約アンペア数を減らすと、それに応じて「基本料金」は下がりますが、「電力量料金」は使用状況によって変わらない場合や増えてしまう場合もあります。

 

最適な契約アンペア数は「世帯人数」や「間取り」「熱源(電気/ガス)」などに応じて変わってきます。家族の人数や部屋の数が多ければ多いほど、家族全員が集ったときに同時に使用される電化製品や熱源機が増えるので、「その分多くの契約アンペア数が必要になる」と冨満さんは言います。

冨満さん「それぞれの世帯人数や部屋の間取り、在宅時間などを考慮して契約アンペア数を設定する必要があります」

 

※:厨房機器の熱源がガスの場合を想定。あくまで目安であり、同時に使用される電化製品や熱源機の量によって変動します。

 

 現在契約しているアンペア数を確認しよう!


電気契約を見直す際には、まず自身の現在の契約アンペア数がどれくらいなのかを把握しておきましょう。同時に複数の電化製品を使用してブレーカーが落ちた経験がある場合、現在の契約アンペア数では足りていない可能性があります。

当社とご契約をお持ちでしたら、Webやお電話から契約アンペア数を確認することができます。確認方法についてはこちらをご覧ください。

 

 

3つのポイントで適切な契約アンペア数を選ぶ

家族団らんの様子

iStock/maroke

 

前述のように、電気契約は原則1年単位で、アンペア数は家庭で一度に使える最大の電流を意味します。そのため、契約アンペア数を選ぶときには、3つのポイントから「1年でもっとも電気を消費するタイミング」を想定して考える必要があります。

 

ポイント①【時間】家族がもっとも集まる時間帯は?

最初に考えなければいけないのは「家族がもっとも家にいる時間帯」です。これは「複数のエアコンや電化製品を一度に使う可能性がもっとも高い時間帯」と言い換えてもいいでしょう。

冨満さん「たとえば、あるご家庭では夕方以降になると、ご飯をつくったりお風呂を沸かしたり、さまざまな用途に電化製品や調理機器を使用するかもしれません。このように『家族がもっとも家に集まる時間帯はどこなのか?』を考えてください」

ポイント②【季節】1年でもっとも電気を使う季節は?

契約アンペア数は「夏は50A必要だけど、冬は40Aで十分」というように、季節ごとにコロコロ変更することはできません。1年を通して対応できる適正な契約アンペア数を選ぶ必要があります。

冨満さん「そのためには『冷暖房にどんな機器を使用し、どの季節にもっとも稼働させているか』を考えましょう。基準になるのは使わない季節ではなく、もっとも多く使う季節です」

 

ポイント③【熱源機】調理機器や給湯器は電気orガス?

また、引越し先の住宅設備に「IHコンロとガスコンロ」「電気給湯機とガス給湯器」のどちらを使用するかという点も、契約アンペア数を選ぶ際にとても重要になると言います。

冨満さん「3口タイプのIHクッキングヒーターには、同時に使用するとそれだけで50A以上の電気を消費するものもあります。そうなると、仮に1人暮らしでも60Aが必要になる。ですから、調理機器や熱源機のタイプというのは大きなポイントです」

 

【アンペア数シミュレーション】夫婦2人+子ども1人の家庭の場合

具体的に一般的な家庭ではどれくらいの契約アンペア数が必要になるのでしょうか。家族は「夫婦2人と子ども1人」、季節と時間帯は1年の中でもっとも電力を消費する「冬の夕食時」を想定してシミュレーションしてみます。

●冬の夕食時のアンペア数は約56A(※3)

冬の夕飯時のアンペア数例

※3:アンペア数は100ワット(W)で1A、1キロワットアワー(kWh)で10Aと考え、各電化製品を使用した場合の想定値です[100ボルト(V)の場合]。実際のワット数とアンペア数は各製品取扱説明書などをご確認ください。

 

夫婦2人と子ども1人の家族の状況を想定し、リビングでエアコン(暖房)とテレビを使い、キッチンでは冷蔵庫、炊飯器、IHクッキングヒーターをフル稼働。さらに、リビングとキッチンの両方で照明を点けている場合、上の図のようにアンペア数は合計「約56.2A」となります。

冨満さん「上記のうち、エアコンの6.6Aは安定時のものです。エアコンの起動時は20A(暖房時)が想定値ですから、それを含めて考えるとこちらのご家庭は60Aが契約の目安になります」

ただし、これは一例にすぎず、アンペア数はさまざまな条件によって変化します。ご自身に当てはまる条件で確認したいという方は、こちらに電化製品ごとのアンペア数の目安を掲載しておりますので、シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

 

住環境やライフスタイルに合った電気契約を!

結婚や出産で家族が増えたり、子どもが進学したり、この春から新しい生活を始める人はきっと多いでしょう。住む場所や家族の人数が変わると電気使用量も変わるため、電気契約を見直す機会になります。住環境や生活スタイルに合ったアンペア数で契約し、経済的かつ快適な暮らしを実現しましょう。

 

この記事の内容は2024年2月15日時点での情報です。