カビやダニ、花粉、ペットの毛など、家の中の空気には目に見えないゴミや汚れが漂っています。そこで頼りになるのが空気清浄機です。花粉症やアレルギーなどの症状を抑えるため、賢く選び、効果的に活用しましょう。
空気清浄機は一家に一台あるべき!
床に落ちているホコリや、壁にこびりついた汚れは、吸い取ったり拭いたりしてキレイにするのが常識。ところが、部屋の大部分を占める“空間”は掃除機やモップで掃除することができません。家電王の中村剛さんは、空気清浄機は、そんな空気中に漂う見えないゴミや汚れをキレイに吸い取ってくれる“空間の掃除機”だと話します。
中村さん「部屋の空気を清潔に保つため、空気清浄機は少なくとも一家に一台は設置することをおすすめします。特に花粉は、床に落ちて踏まれるなどして粒子が砕かれると、気管に入りやすくなってしまいます。花粉症やアレルギーを重症化させないためにも、花粉が空間に漂っているうちに空気清浄機で除去するのが望ましいといえるでしょう。もちろん花粉症やアレルギーの症状がない人にとっても、キレイな空気の中で気持ちよく生活することができる空気清浄機はおすすめです」
空気清浄機の賢い選び方
花粉が飛び始める春先は、家電メーカーや量販店がプロモーションとしておトクな価格で空気清浄機を販売することも多いので、購入には絶好のタイミングと言えます。中村さんに空気清浄機選びのポイントとして、以下の4つを挙げてもらいました。店頭やカタログなどで製品をチェックする際の参考にしてみてください。
適用床面積が大きいものを選ぶ
せっかく購入するなら、なるべく性能のよい空気清浄機を選びたいもの。その目安となるのが「約20畳」「約40畳」などの適用床面積です。
日本の家電メーカー団体である一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)は、「紙タバコ5本分の煙に含まれている粒子成分とガス成分」を1日分の空気の汚れとしています。適用床面積は、この1日分の空気の汚れを30分で清浄できる部屋の広さを表しています。(※1)
中村さん「たとえば広さが8畳の部屋に、適用床面積が約40畳の空気清浄機を置くと、30分の、5分の1にあたる約6分で1日分の空気の汚れが除去される計算になります。同じ価格なら、なるべく適用床面積の大きな空気清浄機を選ぶといいでしょう」
フィルターに注目する
最近の空気清浄機には、「HEPA(ヘパ)フィルター搭載」というキャッチコピーを掲げているものもあります。HEPAフィルターとは、JIS規格で規定された「花粉やホコリ、ウイルスなど、空気中のごく小さな粒子までキャッチできる高性能な微粒子エアフィルター」のことです。
中村さん「空気清浄機の性能は、粒子を捕集するフィルターの目の細かさと、吸引するモーターの力で決まります。HEPAフィルターは非常に目の細かな高性能フィルターです。搭載製品かどうかをチェックしてください。」
世界基準「CADR」の数値をチェックする
先述した適用床面積は、日本国内における空気清浄機の性能の目安。一方、海外製の空気清浄機は、米国家電製品協会(AHAM)が定めるCADR(クリーンエア供給率)を性能の指標としているものが多いと言います。
中村さん「CADRとは、空気清浄機が1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表す指標です。海外製を購入する際は、この数値で『最高クラス』などとうたっている製品を選べば問題ないです」
空気清浄に特化したものを選ぶ
日本製の空気清浄機の中には、加湿器の機能を兼ね備えたものもあります。1台で2つの役割を果たすので設置スペースは省けますが、デメリットもあると言います。
中村さん「加湿器は水を貯めて使うので、適切なメンテナンスを怠るとカビや汚れの温床となり、キレイにした空気が台無しになってしまう可能性があります。加湿機能付きの空気清浄機を購入するなら、こまめなメンテナンスが必須です。お手入れが苦手な人は、空気清浄機と加湿器を別々に購入した方がいいでしょう」
【コラム】空気清浄機の効果を最大限に発揮させるためには
どんなに性能のいい空気清浄機を買っても、上手に使わないと部屋の空気はキレイになりません。中村さんによれば、空気清浄機の効果を最大限に発揮させるためのポイントは、電源を24時間 ONにすること。空気清浄機は、あまり電力を消費しないモーターを動力とするので、1日中つけたままでも電気代はそれほどかからないと言います。
「オートモード」付きの製品なら、外出中は弱め、家族が帰ってきて室内の空気が汚れると強めに運転を切り替える設定ができるので、電気代を節約しながら効率よく空気をキレイにできるとも。また、最近では、スマートフォンアプリを使って、外出先からオンオフや設定を操作できる製品も増えているそうです。
家電王厳選!今買うべき空気清浄機3選
メーカーも機種も豊富な空気清浄機は、自分で選ぶのもなかなか大変です。そこで参考例として、性能や使い勝手などを踏まえ中村さんが個人的に太鼓判を押す3機種を紹介してもらいました。
空気清浄機専業ブランドの高性能機種
スウェーデン製の空気清浄機。本体下部で360度から空気を吸い込み、0.1µmまでの有害物質を99.97%除去(※2)します。ノイズ低減技術を認められた証しとして、英国の騒音防止団体から「Quiet Mark」を取得している点も大きな特長です。
中村さん「コンパクトで、壁や床にしっくり馴染む色合いなので、ダイニングやリビングなどのメインスペースに置いてもインテリアの邪魔にもなりません」
※2:【試験機関】RISE Research Institute of Sweden AB (ボロース、スウェーデン)【試験方法】欧州フィルター規格EN 1822-5:2009に基づくフィルター粒子捕集率試験 【試験粒子】塩化カリウム【試験結果】0.1~1㎛までの微粒子を99.97%以上除去*フィルターの除去性能です。部屋全体への除去性能とは異なります。
ロボット掃除機との掛け合わせで効率よく洗浄
ロボット掃除機 ルンバ(一部の機種のみ)との連携が可能。掃除機が部屋を掃除している間、連動して床から天井までの空気を清浄します。汚れた空気を逃さない密閉構造を採用している点も特長のひとつです。
中村さん「フィルターは使い捨てですが、1年おきに取り替えるだけでOK。フィルターの交換作業も1分未満と簡単・スピーディです」
コンパクト&パワフルさを実現
吸い込み口を本体の両サイドに設けることで空気の吸い込み量をアップ。1つのファンで両サイドからの風を同時に吸引する構造により、コンパクトなサイズながら53畳まで対応できる大風量を実現しています。両面吸い込み構造とすることで、「中」運転時(風量5.5㎥/分)の運転音が37dbと低騒音なのも特長です。
中村さん「性能が高いだけでなく、音も非常に静か。図書館にいるよりも静寂に感じます」
自宅のスタイルや用途に合ったものを選ぼう
空気清浄機は、性能はもちろんのこと、サイズや運転音の大きさ、フィルター交換の手間など、さまざまな要素を考慮したうえで選びたいもの。自宅のスタイルや用途も踏まえてじっくり検討しましょう。
この記事の内容は2024年3月14日時点での情報です。