スリープコーチ直伝!秋から始めるぐっすり快眠術


10月に入り、心地よく眠れる季節になりました。でも、油断は大敵。寒さで寝つきが悪くなる冬はすぐそこです。いまのうちに睡眠改善のプロ、“スリープコーチ”に快眠術を学び、この秋は睡眠サイクルを改善しませんか?

秋は睡眠改善のチャンス

寝つきの悪さや朝起きるのが辛い…など、睡眠時の悩みは人それぞれ。秋は1年の中で一番寝やすく、睡眠の悩みを改善できる絶好のタイミングです。そこで、今のうちに快眠につながる習慣を身につけておけば、冬以降も睡眠の質が上がり、疲れが軽減されたり仕事のパフォーマンスが上がったりと、心身へのポジティブな効果が期待できます。

この記事では、睡眠時の悩みでも多い「寝つき」の改善方法にフォーカス。“スリープコーチ”として10万人以上の睡眠指導を行い、多くの人の仕事のパフォーマンスを上げてきた角谷さんに、よい睡眠へと導く独自の快眠術を教えてもらいました。



今回お話をうかがった方
角谷リョウさん

Lifree株式会社共同創業者。上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会学会員、日本サウナ学会研究員。 認知行動療法や心理学をベースにした独自のメソッドで、NTT docomo、サイバーエージェントなどの大手企業をはじめ計120社、累計10万人をスリープコーチとしてサポート。
「人は、強制されても生活行動は変わらない」をモットーに、楽しく自ら自分を変えたくなるような睡眠改善を追求。著書は『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版刊)、『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版刊)。

 

今晩から実践できる!寝つきをよくする快眠術6選

寝る前の準備や心得など、日々の習慣を少し変えることが、寝つきのよさにつながります。今回は、頑張りすぎずにできる6つの快眠術をご紹介しましょう。

 

快眠術1.寝る前のスマホは見る内容を選ぶ

 

「寝る前にスマホを見てはダメ」とよく言いますが、一切見ないのは難しいですし、禁止することがストレスにもなりかねません。そこで、角谷さんがおすすめするのは、見る内容を変えることです。

角谷さん「夜は衝撃的なニュースが多く、SNSも過激になりやすいため、それを見て考え込むと寝つきが悪くなります。寝る前はお笑いや動物の動画など、笑顔になれるものであれば見てOKです」

まずは見る内容を変え、慣れたら見る時間を制限してみましょう。自分で制限できない人は、設定した時間に強制的に画面ロックがかかるスクリーンタイム機能を使うのがおすすめです。

 

快眠術2.入浴で体を睡眠モードに切り替える

 

寝つきをよくするなら入浴の時間も大切です。お風呂に入ることで体温を上げておくと、入浴後しばらくして体温が下がることにより睡眠スイッチが入るとされています。あわせて「お風呂から出たあとは仕事をしない」「SNSは見ない」などのルールを設けて体を睡眠モードに切り替えましょう。

角谷さん「仕事や遊びのモードをリセットする意味でも入浴はとても大切です。秋から冬にかけては、なるべくシャワーで済ませずお風呂に浸かりリラックスすることが快眠のコツです」

 

快眠術3.天井照明を少し暗くする

 

リビングの照明は約500ルクスあり、これを寝る直前まで浴びていると睡眠ホルモン(メラトニン)が半分程度になってしまいます。また、仕事をするときと同じ明るさのため、なかなか仕事モードが切れず、睡眠の質も落ちてしまいます。そこで、寝る1時間ほど前から部屋の明るさを少し下げてみましょう。

角谷さん明るさを細かく調整できる室内照明のお宅なら、1段階か2段階暗くするだけで十分です。これだけで250〜300ルクスになって睡眠ホルモンの減少を抑えられます。たとえば入浴後に天井照明を少し暗くする事を習慣づければ、体も睡眠モードに変わり、寝つきが良くなりますよ」

 

快眠術4.寝る前の快眠ストレッチで猫背をリセット

 

寝る前に背筋を伸ばすストレッチをしましょう。背伸びをするだけと簡単で、猫背の人には特におすすめです。

角谷さん「猫背は体が緊張している状態なので、入眠が悪くなりやすいです。寝る前に背骨をグーッと伸ばして脱力し、猫背や歪んでいた背中を真っ直ぐに戻してから布団に入ると眠りやすくなります。理想は5セットですが、3セットやれば十分。1セットやるだけでもやらないのとは違いますよ」

 

快眠術5.気持ちよく寝返りできる高さの枕を選ぶ

 

寝具で寝つきを改善するなら、枕を変えてみましょう。枕は高すぎても低すぎてもNGで、自分が寝やすい高さを選ぶことが大切です。枕が高すぎると気道が狭くなるためいびきの原因となり、低すぎると人によっては肩や首に負担がかかるおそれがあります。

角谷さん横になった時にゴロゴロしやすく、気持ちよく寝返りを打てる高さが一番よいですね。イラストのように、仰向けになったときに適度なアーチがある角度がベストです。自分に合った高さを知りたい人はオーダーメイド枕もおすすめ。最近は1万円以下で自分に合った高さや材質の枕を作ってもらえます」

 

快眠術6.散歩をする

 

じつは、散歩も寝つきをよくするのに有効。睡眠と歩数は関係があり、1日7,000歩以上歩くと快眠になると言われています。会社帰りにひとつ手前の駅から歩いたり、テレワークの人は仕事後に散歩に出たりすることから始めてみてください。7,000歩は歩けない時でも1日4,000歩以上、または約20分歩くことを意識してみましょう。

 

秋に睡眠サイクルを作って一年中ぐっすり

ここまでご紹介した快眠術は、今晩から取り入れられそうな手軽なものばかり。無理のない範囲で始めてみませんか?

角谷さん「一度、睡眠の悩みが解消すると『寝つきが悪い時には戻りたくない』と話す人もいます。睡眠の改善は、ダイエットや筋トレなどと比べると数字のような目に見える変化は少ないです。お金がかからない上に簡単だからこそ、できそうなことからチャレンジしてみましょう。習慣をいきなりガラッと変えても長続きはしませんので、少しずつやることを増やしてみてください」

この記事の内容は2023年10月18日時点での情報です。