
なにかと出費が多い年末年始は食費もかさみがち。新たな年を迎え、節約を心掛けたい人にこそおすすめしたいのが、食費の削減だけでなく環境にも優しい“食品ロス対策”です。料理研究家の島本美由紀さんに、食品ロス対策にも役立つ上手な買い物&保存テクニックを教えてもらいました。
食品ロスの半分は家庭から出ている!?

まだ食べられるのに捨てられてしまう食品ゴミのことを「食品ロス」と言います。農林水産省・環境省の推計によると、2022年度の日本国内の食品ロスは、472万トン。国民1人当たりの経済損失として計算すると、なんと約32,000円もの無駄が生じているのだとか(※1)。
島本さん「食品ロスの半分は、実は一般家庭から発生しています。食べ物を捨てるのはお金を捨てることと同じ。食品ロス削減は、みなさんの家計節約にも直結するんです。また、ゴミ処理にはたくさんの燃料が使われ、それに伴い大量の二酸化炭素も放出されます。食品ロスを減らすことで、資源の無駄使いや地球温暖化を防ぐことも期待できます」
家計にも環境にも優しい、計画的な買い物方法
家庭からの食品ロスを減らす第一歩は、「買いすぎない」ことと島本さんは言います。
島本さん「スーパーに何度も足を運ぶと、つい必要以上に買い物をしてしまうもの。理想的な頻度は、3~4日に1回のまとめ買い。その他にも買い物の仕方をちょっと工夫するだけで、食費は自然と減らせます」
【島本さんが指南!賢い買い物の仕方5箇条】
その1:在庫チェックでダブり買い防止
買い物前には必ず自宅の在庫をチェック。ダブり買いを防ぐだけでなく、献立も浮かびやすくなります。
その2:献立を考えて買い物メモを作る
まずは献立を決めて、買い足す必要がある食材をリストアップ。必要なものだけを買うようになるので時間もお金もムダにしません。
その3:割高でも使い切れたほうがおトク
残りがちな調味料は、小さいサイズを購入。野菜なども使いきれる量を選ぶようにしましょう。
その4:「お買い得」という言葉に負けない
お買い得食材に飛びつくのはちょっと待って! どんなに安くても、今日明日で食べきれないのであれば、ムダにつながってしまいます。
その5:気分を満たしてから買い物へ!
空腹時に買い物に行くと、必要以上にものを買ってしまいがち…。買い物前にお菓子などをつまんで気分を満たしましょう。
「過剰除去」も食品ロス増加の原因のひとつ
食品ロスの原因のひとつ、「過剰除去」にも目を向けてみましょう。
島本さん「野菜の皮を必要以上にむいたり、食べられる部位まで取り除いたりしていませんか? たとえば、にんじんは収穫時にブラシをかけられており、皮をむかなくても食べられます。ピーマンも、実は種まで丸ごとおいしく食べられるんです。栄養面でも、そのほうが効率的。捨ててしまうのはもったいないです!」

余った食品は上手に保存してやりくりを
どうしても使いきれず余ってしまった食品は、上手に保存して長持ちさせましょう。余計な水分や乾燥はいたみの原因になるので、キッチンペーパーで水分をとる、ラップやフリーザーバッグを活用するなど、ちょっとしたひと手間で鮮度をより長くキープできます。
島本さん「余った野菜は、あらかじめ切ってフリーザーバッグに入れ、冷凍しておくと便利。冬によく使用する大根や白菜、長ネギは1か月ほど冷凍保存が可能です。炒め物やスープを作る際は、凍ったまま投入すればOK。
お肉やお魚を保存する場合は、乾燥を防ぐためになるべく空気に触れないようにするのがコツ。 冷凍するときは100gずつなど、使いやすい量に小分けしてラップに包み、フリーザーバッグに入れましょう。とくにひき肉は、空気が入らないように薄く平らにするのがポイントです」

豆腐や卵、牛乳も家庭から出やすい食品ロス(※2)。意外にも、これらも冷凍保存することが可能です。
島本さん「豆腐はパックのまま冷凍保存ができます。解凍して水気をしぼると、高野豆腐のような食感に。カットして軽く水気をとり、使いやすい量ごとにラップに包んだ状態でフリーザーバッグに入れて冷凍保存すると、凍ったまま煮物やスープに活用できて便利です。卵は殻を洗って水気をとり、ひとつずつラップに包んでフリーザーバッグに入れて冷凍。冷蔵室で自然解凍すると 卵白は元通りに、卵黄は弾力のある新食感になります。卵かけごはんにするとおいしいですよ。牛乳は量が多いと分離しやすいので、製氷器で凍らせてフリーザーバッグに移します。凍ったままシチューやコーヒーに加えて活用してください」
豆腐は3か月(カットしてからフリーザーバッグに保存した場合は1か月 )、卵と牛乳は1か月ほど冷凍保存が可能だそうです。

買い物時のちょっとした工夫や、保存のテクニックを活用することで、家庭の食品ロスは大いに減らせるはず。最後までおいしく食べられるだけでなく、「捨てる罪悪感」からも開放されて節約にもつながり、いいことづくしです。ぜひ、今日から取り組んでみてください。
この記事の内容は2025年1月15日時点での情報です。